日本工業経済新聞社(群馬)
2014/09/22
【群馬】太田市が新市民会館総事業費を増額へ 67・4億円
太田市は、2度の入札不調により懸案となっている新市民会館建設事業について、総事業費を4億6400万円増額し、67億4378万3000円に変更すると発表した。今後、補正予算案に継続事業費の変更を盛り込んでいく。2012年度当初時点に33億5884万8000円としていた総事業費は、人件費や資機材費の高騰を受け、倍増することになる。
総事業費の変更は、19日に開かれた市議会全員協議会で明らかにされた。2回目の入札取り下げ後、市は担当部署による設計内容の精査を進めていた。増額される4億6400万円のほとんどは、工事費に充当する予定。また、大型建築工事を執行したほかの自治体の状況も調査しているところ。市は早ければ、ことし中にも再入札を執行する考えで、入札形態などを見直している。
新市民会館関連の工事入札は、本年度当初時点で建築、設備関連2〜3工事、舞台関連3工事の分離発注を見込んでいた。1回目の入札は、建築、電気設備、空調設備、衛生設備の4工事に分けて公告されたが、8月1日に開札した建築工事が予定価格超過による不調となったため、残る設備3工事の開札を中止した。
2回目は8月26日に公告され、1回目で分離していた設備3件と秋ころの入札を予定していた舞台関連3件をすべて建築工事と一括して公告したが、全員協議会での執行部による説明では「企業からの問い合わせがなく」、公告日から2日後に取り下げられた。
1回目の建築は、2者JVでの参加とし、構成員のみに市内に本店を置く地域要件を設けた(代表者には地域要件なし)。続く2回目は、JV編成や地域要件を求めず、市入札参加名簿における建築の総合数値1700点以上の大手ゼネコンの参加を想定していた。同入札における予定価格は53億3300万円、最低価格は47億4175万円だった。
飯塚町の九合行政センター西側に建設する新市民会館は、1500席のホールを持ったSRC造4階建て・延べ床面積8485・46u。計画では、本年度に着工し、16年度に外構工事を実施して同年度内の完成を見込む。
当初、市は、飯田町にあった旧市民会館の現地建て替えを予定し、2007年度に設計プロポを行い香山壽夫建築研究所(東京都文京区)を特定。総事業費を34億円程度に設定していた。その後、小中学校耐震化事業を優先するため一時中断をはさみ、再び用地を選び直し現在の建設地に決定。敷地が広くなったため、設計ではコンパクトだった舞台を広げ、総事業費は48億3890万5000円となった。しかし、最近の物価上昇などを受け、本年度6月定例議会で62億7978万3000円へ変更していた。