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北海道建設新聞社
2014/09/22

【北海道】帯広開建が大津漁港の漁船保管施設用地をかさ上げへ 

 帯広開建は2015年度、大津漁港の漁船保管施設用地かさ上げに着工する予定だ。津波に対する防災機能の強化に向け、拡張分を含めた1万4050m²を現行より3mかさ上げするもの。19年度までの事業完了が目標。整備中の南防波堤延伸では、ケーソンへの胸壁設置や消波ブロック据え付けを実施し、15年度中の完成を目指す。
 大津漁港は、豊頃町の十勝川河口付近に位置する第4種漁港。太平洋十勝海域を主漁場とするサケ定置網漁などの拠点であるほか、周辺で操業する漁船の避難港にもなっている。
 現在の漁船保管施設用地は約6500m²。漁期外や港内が結氷する冬季の上架に活用されている。しかし03年の十勝沖地震や11年の東日本大震災では、津波により船が台座ごと倒れて損傷する事故が起きた。
 同開建はこの事態を受け、隣接する豊頃町の町有地7550m²を買収して面積を拡張した上で全体をかさ上げし、津波被害を受けにくくすることにした。整備後は漁船70隻を保管できる見通しだ。
 まず用地をコンクリート壁で囲み、壁内を盛り土、舗装してかさ上げ。既存施設は海面からの高さが2mだが、これを5mまで引き上げる。14年度は用地測量や町有地の補償作業を進め、15年度の着工に備える。設計は年度内をめどにアルファ水工コンサルタンツで進めている。
 また、現在は用地に接する斜路から船を上架しているが、かさ上げ後は使用できなくなることから、クレーン方式かリフト方式による上架を想定。そのため隣接地に船揚場を設ける方針で、16年度ごろまでに整備する。
 一方、北防波堤と向かい合う形で伸びる南防波堤は、付け根から約1000mが整備済み。港内の静穏度向上を図りつつ、漂砂による埋没を防ぐため、現在は先端から少し離れた位置から北防波堤側へ向けて、南防波堤を延伸するという形で120mを整備中。
 14年度はケーソンの上部コンクリート打設のほか、既設の南防波堤先端部との間約30mにわたって消波ブロックを据え付けている。
 15年度はケーソンに胸壁を設置し、その外海側に消波ブロックを積み上げて延伸部分を完成させる。