静岡県は9月16日、第4回富士山周辺地域の無電柱化推進検討部会を県庁で開き、白糸ノ滝周辺地区の無電柱化取り組み方針を決めた。権現橋の北側区間を地中化、南側区間を裏配線とし、10本の電柱を撤去する。
会議は、静岡県、富士宮市、東京電力、NTT、アドバイザーなど関係者が出席した。第3回会合では、富士山眺望地点を3カ所選定し、各地点から眺望景観の支障となる電柱・電線を撤去する方針を決めた。今回の会合で無電柱化の手法と対象となる支障電柱を決めた。
電線類地中化を行うに当たっては、国の無電柱化推進計画に盛り込まれることが必須となることから、県では次期5計を目指して、2015年度の暫定計画への位置付けに向けた早期合意の調整を15年6月末までに行う予定。順調に進んだ場合、15年度に詳細検討、詳細設計などを行い、16年度に工事着手、17年度の完成を見込んでいる。
取り組み方針では、権現橋の前後で富士山眺望方向と電柱の位置関係が異なることから、権現橋の北側区間を地中化で、南側区間は裏配線の手法を採用する。裏配線は、裏通りなどに電柱を配置し、通り沿いの宅地への電線類の引き込みを裏通りから行う。南側区間では、観光協会駐車場内の約170b間に裏配線する計画で、市道上井出34号線に沿って約65b間は地中化する。また、北側区間では約250b間で地中化する。
取り組み方針が決まった一方で、今後の課題も抽出した。裏配線区間では、@電柱建柱に伴う地下水脈や、白糸の滝景観、展望台からの富士山眺望景観への影響把握A売店集約化計画との整合B民地への引き込み柱・架空線の眺望景観への影響把握−を行う。権現橋区間では、橋梁添加、NTT既設管路の利用、単独管橋新設など具体的手法を決める。地中化区間では、@電線共同溝を設置可能な歩道空間確保Aラウンドアバウト計画との整合B地上機器の設置位置の確保−などを挙げた。この他、検討課題としてNTTから同社の既存設備(既設マンホール)を活用した電線共同溝整備も手法の一つとして紹介された。
(2014/9/22)
建通新聞社 静岡支社