建通新聞社(神奈川)
2014/09/16
【神奈川】神奈川県ら導入の施工パッケージ型方式 端数処理に注意
神奈川県建設業協会、横浜建設業協会、経済調査会は9月12日、神奈川県と横浜市が10月から導入する施工パッケージ型積算方式をテーマに説明会を行った。説明に当たった神奈川県と横浜市の職員は、国土交通省の運用との相違点を解説。積算単価の算定する補正式内での端数処理は少数5位止め6位四捨五入とするほか、積算単価の有効桁数は4桁、5桁目以降切り上げとすることを強調し、取り扱いを誤ると積算価格に大きな差が生じることを注意した。
また、経済調査会積算技術部の東寺裕康部長は、国土交通省が導入している施工パッケージ型積算方式の概要と効果を紹介し、透明性が高まるとともに、積み上げ積算方式と比べて手間が省略できると話した。現在の施工パッケージは、応札者単価、歩掛りで作られており、実態調査も行われているため、一部で懸念されるようなデフレスパイラルが起きることはないと説明した。さらに、具体的な事例を使った演習問題を解きながら、施工パッケージ型積算方式による単価算定・補正の手順を解説した。
施工パッケージ型積算方式は、国土交通省が2012年10月から導入。直接工事費の部分を標準単価を基に設定するが、間接工事費については従来通りの積み上げ方式を適用している。14年4月現在、パッケージ数は207。次回は11月にも新たなパッケージが公開され、15年4月から運用される見通し。使用頻度からみると施工パッケージ型積算方式は50%を超えており、経済調査会では14年度後半から15年度には60%を超えるとみている。また、経済調査会の調査によると、都道府県や政令市でもことし10月ごろまでに36団体が施工パッケージ型積算方式を導入するとしており、神奈川県内では、昨年10月から導入している川崎に続いて、ことし10月からは神奈川県、横浜市、相模原市が導入することになっている。