日本工業経済新聞社(群馬)
2014/09/10
バイオマス発電所を建設 今月施工者選定へ
上野村は、木質ペレットを使ったバイオマス発電所を建設する。間伐材などで生産したペレットを燃料に発電。電気は村の公共施設で使用する。施工は県内JVで行う。今月中旬に指名競争入札を行い、発電設備の設置から施設の建設までを一括で発注。年度内の完成を目指す。付帯工事含め建設費は約3億5000万円を見込む。
村の豊富な木材を活用し、エネルギーの地産地消を目指す。
振興課によると、建設地は村の観光施設「きのこセンター」(楢原666)東側隣接地。敷地面積は約130u。施設はRC造地上2階地下1階建てで、延べ床面積は約300u。きのこセンター敷地との落差から半地下のような構造になるという。設計は、勝山工務所(前橋市)が担当した。最大発電量は180kWを見込むが、発電施設で1時間あたり18kWほど使用するため、送電できるのは1時間あたり162kWとなる。年330日の稼働を計画しており、年間発電量は約128万kWを見込む。発電設備は、バイオマス発電で豊富な実績がある、ドイツのブルクハルト社製のものを採用する。
木質ペレットに使う間伐材は、村外からの受け入れも行うが、同課は「村内でのエネルギーの循環を目指しているので、基本的には村内の木を使いたい」と話している。建築資材などには使えない間伐材のほか、最近はカエデなどの広葉樹からもペレットを生産している。
発電所では年間930tものペレットの消費を見込む。村担当者は「ペレット工場をフル稼働させなければ、間に合わないだろう」と大幅な需要増に期待する。
施工業者は今月中旬に予定する指名競争入札で選定する。JV施工とする予定で、県内から4JVを指名した。
施工者は設備の設置から躯体の施工までを一括で行うが、ブルクハルト社から発電設備が納入される時期に合わせて躯体の建設を進めていく。完成は年度内を予定する。
建設費として3億3000万円、付帯工事費として2000万円を見込んでおり、本年度当初予算に計上している。