日本工業経済新聞社(山梨)
2014/09/05
【山梨】市場単価乖離対応で詳細な調査実施
国土交通省関東地方整備局は、県建設業協会と前年度に行った意見交換会で「土木工事の市場単価について、実施施工単価とのかい離が無い設定」を要望されたことへの対応を、本年度の意見交換会で回答した。回答では、積算にあたっては施工地区や現場条件(規模や時間的制約など)での単価補正を詳細に行っており、積算基準書に合致しない特殊な条件での施工では、別途、見積もりや特別調査で新たに価格を調査した上で積算に反映するようにしているとした。
県建設業協会は前年度の要望で、土木工事積算基準書の市場単価は落札後の外注施工における元下請負の取引価格を調査し採用されていると聞いているが、この方法では、同じ構造物の市場単価が毎年、競争入札で落札率が加味されることから、必然的に年々低下し、スパイラル化していると指摘。そのため、市場単価の決定方法について、落札率で割り戻した単価とすることや、単価の加算率・補正係数についても山間僻地での施工、急峻な地形や地質を考慮したものとするなどの検討を行い、実施施工価格と市場価格とのかい離が無いような設定を求めた。
これに対して関東整備局では、対応状況を本年度の意見交換会で回答。市場単価は@民間同士で取引例があることA施工単位当たりの取引が行われていることB民間同士で良好な取引が行われていること―を確認して設定されていることを説明した。
積算にあたっては、施工地区や施工規模、時間的制約などの現場条件での単価の補正も詳細に行っており、特別な条件以外では適切な補正が行われていると考えていると回答した。
積算基準書に合致しない特殊な条件での施工については、別途、見積もりや特別調査で新たに価格を調査した上で積算に反映しており、今後も別途調査を行うよう発注担当者へ指導しているとした。