道路橋やトンネルなどの定期点検を義務付けた改正道路法を受け、関係省令・告示、点検要領が整備されたことから、静岡県道路メンテナンス会議(会長、森川博邦国土交通省静岡国道事務所長)は3日、“自治体へのキックオフ”と位置付け、県や全市町の実務担当職員約70人を集め道路点検要領説明会を開いた。あいさつした会議副会長の原広司県道路整備課長は「説明会を通じてメンテナンスの心をつかんでほしい」と訴え、点検実務の習得と体制の充実を求めた。
2012年12月の笹子トンネル天井板落下事故を受け、13年6月に道路法が改正された。改正法では道路橋やトンネルなどについて5年に1回、近接目視による点検を義務付けた。ことし6月に定期点検要領がまとまり、7月には定期点検に関する省令・告示が施行された。これにより点検の実施体制が整ったため、自治体職員に対して概要を周知するとともに、具体的な点検の在り方を知ってもらう目的で説明会を開いた。
今回の説明会に続き、今後、点検実務を現地で体験する現場点検研修を地域部会ごとに随時開催する他、職員が自ら点検できるよう、最低限必要な知識と技能を習得させる全国共通の研修を来年1月下旬から2月にかけて中部技術事務所で実施する予定でいる。
当日の説明会では、国交省中部地整の鈴木康芳道路構造保全官が改正道路法、定期点検要領などの全体概要を解説。続いて、奥出克地域道路課課長補佐が橋梁点検の優先順位の考え方などを説明した。
また、道路橋、道路トンネル、シェッド・大型カルバート等、横断歩道橋、門型標識等―の5種類の定期点検要領について、それぞれの構成、ポイントを解説。担当した中部技術事務所職員は「要領の内容にとらわれず、まず現場に行くことだ。いろいろな発見がある。現場を見ることが点検の第一歩」と呼び掛けた。
(2014/9/5)
建通新聞社 静岡支社