静岡市は、駿府城天守閣の建設を目指し、天守台整備のための発掘調査を、2015年度からスタートする静岡市第3次総合計画に盛り込んでいく方針。天守台の復元整備には事業費として50億〜100億円かかると試算されている。再建には市民の寄付なども募りながら進めていくもよう。
天守台跡は葵区駿府城公園内の北側に位置し、静岡県が80年に発掘調査を実施し石垣の一部を確認。復元のためには遺構の全体を把握して年代の特定などの作業が必要となってくる。このため、発掘調査は第3次総合計画の期間末である22年度まではかかると見込まれている。
市は、発掘調査や再建の過程を観光資源として発信する考えで、天守閣再建へ市民の合意形成に向けた取り組みを図っていく。天守閣再建については今後、発掘調査の結果や天守台復元の可能性などとともに議論が進められるもよう。
市では、08年から10年度にかけて「静岡市駿府城天守閣建設可能性検討委員会」を開き、天守閣の建設可能性について検討。同委員会から「現時点で実施すべきではない」との検討結果報告を受けた。これまでに収集されている資料類は史実への忠実性が低く、復元を行う場合には史実に忠実であることが重要という観点からの判断だった。
ただし天守台の復元については、史実に基づいた資料があることから、技術的課題や財政的課題など具体的な検討を進めることを提言されていた。
(2014/9/3)
建通新聞社 静岡支社