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建通新聞社四国
2014/09/02

【徳島】計画、設計方針を了承

 四国横断自動車道吉野川渡河部の環境保全に関する検討会(座長・山中英生徳島大学院教授)は8月27日、徳島市内で第4回会合を開き、吉野川に架かる橋梁の整備に向けた環境モニタリング調査計画を決定した。また、今後着手する橋梁設計の方針を示し了承された。9月から環境モニタリングの事前調査、並行して橋梁基本設計に着手する。順調なら2015年11月の橋梁下部工着工を目指して必要な作業を進めていく。
 環境モニタリング調査は工事実施段階(工事前・工事中・工事後)ごとに行い、評価後必要に応じて保全対策を検討する。このほか吉野川河口域の生物観察データを一般から公募し基礎資料として有効活用していく方針。
 調査項目は杭打ち施工に伴う騒音・振動調査、橋梁施工に伴う水質調査、橋脚の存在による地形変化を監視する地形調査と底生生物の生育などを監視する底生生物・底質調査、橋梁の存在に伴うシギ・チドリ類の飛来状況を監視する鳥類調査。9月から事前調査を開始し、下部・上部各施工後2年間事後調査を実施し、評価して必要に応じて環境保全対策を講じることにしている。生物観察データは西日本高速道路(NEXCO西日本)がホームページなどで公募し、年内に開く環境部会(部会長・中野晋同大学院教授)で精査の後、基礎資料として有効活用していく。
 橋梁設計の方針については、5つのコンセプトとコンセプトごとの検討項目を紹介。@吉野川渡河部の環境保全に配慮した構造と施工(基礎構造および橋脚施工時の検討、上部工施工時の検討)A巨大地震(南海トラフ地震など)を想定した耐震性能の確保(南海トラフを想定した耐震設計、軟弱層を適切に評価した基礎構造の検討、陸上部を含めた連続化の検討、上下部工剛結構造の検討)B塩害環境などに対する耐久性の確保(耐久性の高い細部構造の検討、高強度コンクリートの採用検討、塩害に強い鋼材の採用検討)CCO2削減などの環境負荷の低減(リサイクル材料の採用検討、プレキャスト化によるCO2削減効果の検討)D風景とのバランスを考慮した景観性の検討(圧迫感の軽減、美しいフォルムの形成、付属部などの配慮)−を示し、ライフサイクルコストにも着目した上で設計を進めることになった。
 橋梁案はことし3月に前回検討会で、橋梁の形式をスパン長130bのPC12径間連続箱桁橋とすることに決め、すでに橋梁設計者をエイト日本技術開発に決めている。
 橋梁の計画概要は、橋長1520b、総幅員10・2bのPC12径間連続箱桁橋(橋脚数11基)、架設桁を使った張り出し架設工法により施工する。また、下部工は基礎に鋼管矢板井筒基礎(1橋脚当たり口径1000_、延長23b、36本)を採用する予定。見込まれる浚渫量は2800立方b、施工期間を3年7カ月とみている。15年度から準備工、同年度中(11月)に下部工事に着手。17年度から上部工に着手し、19年の早い時期の供用を目指すことにしている。
 橋梁の設計に当たっては、この設計方針に基づき進めていくが、必要に応じて橋梁部会(部会長・成行義文同大学院教授)に意見を求めながら進めることにしている。