建通新聞社(神奈川)
2014/09/01
【神奈川】神建協 会員調査結果 「技術者・技能者不足が顕著」〜今後の労働者確保を心配する声も〜
神奈川県建設業協会(神建協・小俣務会長)が会員企業を対象にまとめた「採用状況等に関する調査結果」によると、人材確保の現状について、技術者が「不足」と回答した数が、「充足」の約2・5倍に上った。同じく、技能者の人材についても「不足」が「充足」の約3倍の数となった。さらに、将来の人材確保の見通しは、技術者・技能者とも「心配している」が「心配していない」の4倍以上の数となり、特に若年者雇用の問題意識が、企業間で高まっている現状が浮き彫りとなった。
2014年7月28日時点で調査し、対象となった445社のうち、101社から回答を得た。回答率は22・69%。
それによると、現在「技術者が不足している」との回答数は71件で、充足(28件)の2・54倍に上った。
今後、「労働力確保が難しくなると思われる職種」は、▽監督者などの技術者(回答数34件)▽型枠工(同28件)▽鉄筋工、作業員・土工など(同各26件)▽内装工(同6件)▽大工、多能工(同各4件)▽オペレーター、左官工(同各3件)▽配管工(同2件)▽石工、ブロック工、溶接工、解体工(同各1件)▽その他=特殊作業従事者(同3件)―などだった。
次に、「技能者」について聞いたところ、「不足」が71件、「充足」が23件だった。また、事務・営業などは「不足」が18件、「充足」が79件、「過剰」が1件となっている。
今後の労働者確保の見通しについては、技能者は「困難」が80件、「普通」が18件。同じく、技能者は「困難」が78件、「普通」が15件。事務・営業などは「困難」が11件、「普通」が76件、「容易」が8件だった。
13年度(13年4月〜14年3月)の採用者数は、新卒と中途を合わせて172人。また、14年度の採用予定人数(4月の採用者数+年間の中途採用の予定数)は194人との回答が寄せられた。14年度の新卒採用者数は、高校卒が27人で前年度と比べ2人増、専門学校・大学卒などが49人で前年度比3人減。中途採用は118人で前年度比23人増えた。
新卒採用者の月給の平均額は、技術職が高校19万3582円、専門学校が20万8611円、大学が22万6856円。同じく技能者は、高校が19万4261円、専門学校が20万2388円、大学が22万7412円。ただし、各区分で金額に大きなばらつきが見られる。
中途採用者の職種別平均年齢と平均給与は、技術者(監督職)が「36・8歳=34万1544円」、技能者(有資格者)が「36・2歳=32万0583円」、普通作業員が「32・6歳=26万7937円」。