静岡労働局は25日、静岡市内で臨時労働基準監督署長会議を開き、労働災害防止に向けた緊急対策の徹底を指示した。柳瀬倫明局長は「管内の地域の労働災害防止の責任者として事態の重要性を認識し、先頭に立って徹底的な取り組みを」と訴えた。また、幡野一成労働基準部長は、特に建設業に対して「基本的な安全衛生管理体制、法令順守体制の確立」の重要性を指摘した。
柳瀬局長は、災害多発の要因として景気回復による経済活動の活発化を挙げた上で「いつ、いかなる状況にあっても災害は発生させてはいけない」と述べ、今回の緊急対策、会議開催の趣旨を説明。
続いて、幡野部長が静岡労働局の第12次労災防止推進計画で行政目標として、休業4日以上の死傷災害を年間3900人以下としているものの、「このままでいけば4000人を超えるのではないかという状況だ」と懸念。また、建設業について、7月に実施した一斉監督結果に触れ、「昨年度と比べ違反率が増加している。極めて基本的な部分すらできていない」と厳しく指摘した。
一斉監督結果(現在集計中)によると、178現場、463事業所を対象に実施。その結果、違反率は現場、事業所共に50%を超え、前年度と比べ10ポイント程度上回ったという。こうした結果を踏まえて、幡野部長は「今後、基本的な安全衛生管理体制を主眼に置いて、確立した体制によって管理活動を徹底していくことが重要」と訴えた。
さらに、緊急対策の着眼点を説明した上で、具体の取り組みについて、@署長自らが商工会議所、商工会、労災多発業種の業界団体に直接働き掛けるA8月26日に厚生労働本省の緊急要請(「労働災害のない職場づくりに向けた緊急要請」8月5日付)を経営者団体、労災防止団体に通知するB9月9日に経営者団体4団体に協力要請するD8月29日に重点対象業種の建設業(建災防)、陸上貨物運搬業(陸災防)に部長自ら協力要請する―などとした。
(2014/8/27)
建通新聞社 静岡支社