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建通新聞社四国
2014/08/26

【高知】県市長会がインフラ整備を要望

 県内11市の市長で構成する高知県市長会(会長=岡ア誠也高知市長)は8月20日、尾ア正直高知県知事ら県職員との意見交換会を行った。会では、南海トラフ地震対策について、津波避難施設建設に向けた交付金の延長や、地震・津波対策に係るインフラ整備についての要望が出され、それぞれ県も前向きに取り組む意向を示した。
 津波避難タワーや避難路の整備は、高知県津波避難対策等加速化臨時交付金を活用して進めているが、12月補正までに予算化した事業までが対象となっている。その中で、安芸市の小松敏伸副市長は「避難訓練を行う中で、新たなタワーや避難路の要望が高まっているが、土地買収に長期間を要する」。香南市の清藤真司市長は「タワー建設工事の入札不調や中止が相次いでおり、県全体でも完成予定数が計画を下回っている」とし、2015年度以降の交付金の継続について要望した。
これに対し、尾ア知事は「15年度以降も避難施設建設が滞ることがないような対応を考えたい。特措法もうまく生かしたい」と述べた。
 地震・津波対策に係るインフラ整備では、清藤市長から「国直轄以外の海岸でも、直轄の仁ノや新居海岸で実施された鋼矢板二重締切工などによる堤防耐震・液状化対策事業と同様の工法による堤防整備が実施できるように」。四万十市の中平正宏市長から「国道439号、国道441号の加速的な整備と道路・橋梁などの長寿命化対策、耐震化の強力な推進」「ヘリポート整備について事業期間の延長、事業費限度額の嵩上げ、用地費も補助対象に」。宿毛市の沖本年男市長から「津波浸水域にある四国電力の変電所の高台移転を働きかけているが、後押しする良い方法や施策はないか」という要望がそれぞれ出された。尾ア知事は、それぞれの要望に対し、支援や検討をする考えを示した。
 土佐清水市の泥谷光信市長からは、住宅の耐震化の促進を図るため「目標達成に向けて課題が多くある。県と一層の連携や指導をお願いしたい」との要望があった。
 会では、少子化対策についても議題に上がった。その中で、須崎市の楠瀬耕作市長は、「須崎港の防災機能を強化し、須崎港を中心とした産業振興、企業立地を推進することが、今後の少子化対策に大きく寄与する」との考えを示し、須崎港への新たな大型岸壁の設置や後背地への工業団地の開拓、未利用地への企業団地の推進などについて要望した。これに対し、尾ア知事は「地域に若い人が残るためには、そのための拠点が大事。全面的なバックアップをしたい」と述べた。
 移住促進については、土佐市の板原啓文市長が「CLT工法を採用し、定住公営住宅などの建築を進めたい。建築費の単価差が大きければ、CLT工法の採用は困難になるので、建築費の差を補助する制度の創設について検討してほしい」と要望した。