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建通新聞社四国
2014/08/22

【高知】台風11、12号被害状況

 8月上旬に高知県内を相次いで襲った台風12号と11号の被害状況が徐々に明らかになっている。高知県が8月19日に行った災害対策本部会議で、各部局から現時点での被災状況が報告された。治山・林道施設の概算被害額は31億円あまり、公共土木施設では748件の被害が明らかになっている。現時点では調査中の箇所が多く、すべての状況が明らかになるのは9月下旬ごろを見込んでいるが、今後も被害は増大するとみられる。
 各部局別にみると、農業振興部の農地、農業用施設関係では、農地が17市町村の74カ所、農業用施設が13市町の65カ所で被害額は調査中。地すべり関係では、大豊町の大平地区で幅120b、斜面長340bの地すべりがあり詳細を調査中。
 林業振興・環境部では、治山・林道の被害額が31億2900万円。山腹崩壊の被害状況は、林地崩壊55カ所、施設災害5カ所で、災害関連緊急治山事業と治山施設等災害関連事業で対応する。林道の被害は、111路線の延長5600bが対象で、林道災害復旧事業で対応する。作業道の被害額は8739万円。89路線、266カ所で路側の崩壊、路面の洗掘、法面の崩壊などの被害があり、国費の森林環境保全直接支援事業や県単独の森の工場活性化対策事業により早期に対応する。木材加工施設の被害額は1億0491万円。11市町村の16事業体で加工施設や木材製品の浸水、建屋の破損などの被害があり、県単独の県産材加工力強化事業などで対応する。大豊町の地すべりの被害額は調査中。
 水産振興部では、漁港施設の被害額が安芸市の2カ所で2億7500万円。安芸漁港では沖防波堤のケーソン部4カ所に穴が開き、中詰砂が流出し一部空洞化している。穴内漁港では船揚場の斜路部が沈下し崩壊している。共同利用施設の被害額は土佐清水市ほか6市町の計29カ所で2978万円。荷さばき所や漁具倉庫の破損などの被害がある。
 土木部では、これまでに公共土木施設が県354件、市町村394件の合計748件、土砂災害が17市町村で232件の被害が報告されている。道路では北川村小島の国道493号で、延長200bほどの山腹で大規模な崩落があり、全面通行止めが続くなどの被害が出ている。港湾・海岸では、安芸市の穴内漁港海岸(自転車道)で、延長119bと100bの2カ所で堤防が決壊、延長200bの離岸堤が被災した。香南市の吉川・吉川漁港海岸では延長835bの離岸堤が被災した。
 教育委員会では、台風11号により、川登小学校(四万十市)体育館の床上浸水、春野高校果樹園の土砂流入、窪川高校教員官舎敷地の法面崩落など、校舎屋上防水シート破損が6校、軒下や庇のはく落などの体育館被害が7校、防球ネット破損が10校、フェンス倒壊が7校、グラウンドへの土砂流入が2校、グラウンド表土流出が6校で発生した。台風12号では7校での施設被害を報告した。
 警察本部では、警察施設の被害額が35カ所で400万円。交通情報板の被害が高知市2カ所、安芸市1カ所の計3カ所で、被害額は6000万円。信号機は減灯、灯器脱落、方向変位などの被害が188カ所、標識は倒壊、標識板脱落、方向変位などの被害が23カ所で発生、被害額は調査中。
 県内では、台風12号の影響により8月2〜3日を中心に、各地で記録的な豪雨が降り、甚大な被害が発生した。続いて9〜10日には台風11号が県内全域を暴風域に巻き込みながら安芸市に上陸し、大きな被害をもたらした。