日本工業経済新聞社(茨城)
2014/08/22
【茨城】県建築3課と茨建協建築委が現場の諸課題など意見交換
県土木部の建築3課(建築指導課、営繕課、住宅課)と県建設業協会建築委員会(下田コ行委員長)による意見交換会が20日、水戸市青柳の県建設技術研修センターで開かれた。営繕課や住宅課の執行計画について説明を受けたほか、現場における諸問題について話し合った。県職員の増員要望について、県は行政改革による人員削減の苦しい状況に理解を求めながら、個々のレベルアップや個別対応で円滑施工に協力する姿勢を示した。
県建設業協会の建築委員会を代表して尾曽正人担当副会長は、国交省や総務省が都道府県や政令指定都市に対して適切な予定価格の設定、円滑な施工確保の要請、歩切りを厳に慎む要請を行ったことに触れながら「このような要請はたいへんありがたい。きょうは建築委員からいくつか要望があるが、どうぞ忌憚のない意見をお願いしたい」とあいさつ。
続いて江原秀明県土木部都市局技監兼建築指導課長は、前年度の県建築工事が設備工事などを含めて4件に1件発生していたことから、積算基準の見直しなどを図ってきたことを説明。「法改正を踏まえ、現場の処遇改善と技能労働者の確保を皆さんと進めていきたい」と語った。
協議では、協会側からの要望事項7項目に対し県が応える形で進行。まず営繕課と住宅課の執行計画について、営繕課が本年度予定の176件(93億2400万円)について8月20日現在で99件(61億5200万円)を発注したこと、また住宅課が23件(11億800万円)のうち7件(2億300万円)を発注したことを説明。その後、発注予定分の概要に触れた。
続いて現場における諸問題について、県職員の担当工事が多く進捗に遅れが出ていることから県職員(有資格者)の増員やワンデーレスポンスの拡大を求めた。これに対し、県は「人員削減で増員が困難な状況の中、平均して一人30件の工事を受け持つなど厳しい状況。個々のレベルアップや、上司への密なホウレンソウを徹底する。現場が立ちゆかなければ個別対応する」と工事が円滑に進むよう積極的に応じる姿勢を見せた。
予定価格の設定方法については「直近の県単価や刊行物、見積もり単価などで設定。また実勢単価との乖離が明らかなものは見積もり単価などで補正している」と回答。
設計図書の乖離については「拾い漏れなどで実数量との差が生じないよう設計精度を高めるとともに課内チェック体制を強化している。著しい差異は個別に検討する」と応じた。
指定仮設の進入ゲートでシートゲートが用いられている工事については、杭打機の搬入出時に盛替が生じ二度手間となることから、協会側はクロスゲートなどを採用するよう要望。県は要望に応じるとした。
仮設進入路の整備を伴う本体工事の発注については、本体工事の遅延が生じないよう工区分けするなど、発注方式や時期について検討する。
また設計書で「同等品以上」となっていても、特定のメーカー以外使用できずメーカーの言い値で設定されてしまうケースがあることから、県は「汎用性の高い製品を想定して設計するよう努める。個別に製品名を教えていただければ」と応えた。