福島建設工業新聞社
2014/08/07
【福島】広野駅東側開発第1期/民間の事業者公募へ/造成工事は月末入札
広野町では、町再建に向けた新たなまちづくりの拠点として「広野駅東側開発整備事業」を計画しており、企業用地として造成する第1期エリアの開発事業者を選定するため、公募型プロポーザルを実施する。8日に募集要領を公表し、中旬に事業者説明会を開く予定。第1期事業面積7・65fの造成工事は今月末にも指名競争で入札し、上・下水道等のインフラ整備も追って発注する。
同町では、大震災と大津波で家屋や農地、生活基盤などに甚大な被害を受け、その後の原子力災害で全町避難を余儀なくされた。インフラ復旧や除染の進捗などで町民帰還も始まっているが、町民数は震災前の5490人に対し、5月14日現在1530人の帰町にとどまっている。
広野駅東側の開発は、町復興のシンボルに位置付けた新たな市街地構築事業で、生活再建に不可欠な基盤を集約整備する。全体面積14・55fのうち、第1期7・65fに企業用地等、第2期6・9fに住宅地を整備する計画となっている。
第1期(24〜27年度)は駅前の立地特性を活かし、経済と雇用に結び付く企業用地等を整備する。土地利用面積は約5fを見込んでおり、敷地を数工区に分割し、プロポーザルで町再建に資する土地利用の提案を求め、民間主導による施設整備を進める。
提案について町では、オフィス系ビルのほか、市街地に必要な幅広い施設の提案を求める。施設整備に当たっては、復興交付金を積極的に活用する考え。開発事業者については、10月半ばをめどに選定する。
第1期の造成工事は町が実施する。JV編成の提出を終え、今月末にも指名競争で入札する。上・下水道や道路等の基盤整備は別途発注する。
第2期については、5日付で復興整備計画に追加した。今年度から28年度を事業期間とし、115戸程度の住宅地ゾーンを整備する。津波と地震の町内被災者はじめ、他町村被災者の受け皿とする計画。今年度は調査等に着手したい意向だ。