日本工業経済新聞社(群馬)
2014/08/04
【群馬】県吾妻農業がわらび峠の地すべり着工
県吾妻農業事務所農村整備課は、中之条町上沢渡地内のわらび峠地区で進めている地すべり対策事業で本年度、集水井工と明暗渠工L約200mを予定している。それぞれ分割して9月に指名競争入札で発注する。この事業は2012年度から18年度までの期間で、集水井や集排水ボーリング、水路工などを予定しており、総事業費には2億8000万円を試算している。このうち、本年度の事業費は6186万円を充てる。
集水井工は計4基の設置を計画しており、本年度は西端にあるbSを対象にφ3・5mのライナープレートを使用してD7mを整備する。これに加え、bSの集水ボーリングを放射線状にL約210m、排水ボーリングを本年度新設する明暗渠に向けてL約50m実施する。
一方の明暗渠工は地下水の排水も行うため、明渠(300oのU字溝)の下部にφ100oの有孔管を敷設する。本年度は、国有林内の水路へ接続するまでのL約200mで工事を行う。
この事業は、わらび峠地区14・1haを対象に集水井、集排水ボーリング、明暗渠、明渠、水路兼用道路、抑え盛り土などを整備する。
集水井では、東側からbPからbSの計4基を新設する。いずれもφ3・5mのライナープレートを使用し、bPがD15m、bQがD11m、bRがD5m、bSがD7mとなり、集水ボーリングではφ40oのVP管をL約2000m、排水ボーリングではφ100oのSGP管をL約200m設置する。
明暗渠は1号から5号までの計5カ所、L約370mの工事を予定しており、明渠部分は300oのU字溝、暗渠部分はφ100oの有孔管を利用する。明渠は1号から2号までの計2カ所、L約120mとなる。水路兼用道路は、既設農道のL約150m(W3m)でアスカーブの設置と舗装を、抑え盛土は、ふとんかご工と併用しながらL24m実施する。設計は、黒岩測量設計事務所(前橋市)が作成した。
わらび峠は、標高800m程度に位置する緩傾斜地で、大正時代からの降雨による湧水や地割れなどが起きており、1998年、1999年の台風や豪雨により地すべりが発生。これらを受け、2002年度から06年度に地すべり対策事業として排水施設などを整備したが、11年度の台風により新たな地すべり層が発生されたため、新規に事業化した。