日本工業経済新聞社(群馬)
2014/07/24
【群馬】新庁舎計画見直しプランを公表 富岡市
富岡市は24日、新庁舎建設計画の方向性を明らかにした。4棟構成としていた建物は1棟とすることを軸に見直す。建物は3階建てを想定。建設費や維持費を抑えるため地階は造らないことにした。延べ床面積は現計画と同規模の約8500u程度。世界遺産の富岡製糸場に近いため、景観に配慮し、高さは14m以内とする。来月には設計者である一級建築士事務所隈研吾建築都市設計事務所(東京都港区)との1回目の会議を開き、素案について話し合う。
「基本設計からやり直すイメージ」。4棟から成る新庁舎の計画を1棟に近い形に見直すことについて、新庁舎建設室の担当者はこう話した。これまでの行政西棟、東棟の2棟に議会棟などを加えた4棟としていた計画は1棟に集約する方向で検討。トイレや廊下、エレベーターなどの供用部分を減らす。加えて2期に分け約2年かけて完成させる予定だった工期についても、1期で建設が可能となれば、約32億円としていた建設費も抑えることが可能。完成後の維持管理費についても同様に縮減できる。
担当者は「1棟にして共用部分が減ったとしても、延べ床面積は現計画と同規模を確保したい」と話し、8500u規模とする意向。建物の高さについては世界遺産となった富岡製糸場に近い立地から、景観に配慮し14m以内とする。「14mといえば、事務所の構造で考えれば3階建て」と見る。庁舎には太陽光や雨水など自然エネルギーを活用する設備の設置も検討。ただ「今のところ具体的に設置が決まったものはない」としている。
新庁舎にはコンビニエンスストアの出店も検討する。閉庁後も営業できるよう「敷地内ではあるが、庁舎とは別に設置したい」との意向。まだ設置できるかについては未定で、今後希望業者と協議を進める。
駐車場は庁舎周りに110台、近接する「上町駐車場」に30台、近隣に20台の計160台程度を確保する。コンビニの出店が無くなれば、その敷地を使い、さらに増える見込み。
設計については「なるべく早くまとめたいが、議会や市民の理解が得られることが重要なので、設計の期限は定めていない」という。ただ、1期で建設できることになれば工期が短縮できるため、現在2017年7月としている事業完了時期が大幅に伸びることはないようだ。