トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

北海道建設新聞社
2014/07/15

【北海道】市長公約受け苫小牧市民会館建て替えの動き加速か 

 老朽化が進む苫小牧市民会館の建て替えに向け、動きが加速しそうだ。6月の市長選を制した岩倉博文市長が、近隣の公共施設と統合し市民ホールとして建て替えることを3期目の公約に掲げるため。市内部からは、9月の定例市議会をにらみ、建て替えに向けた具体的な準備が始まるとの見方も出ている。
 市民会館は旭町3丁目にあり、大ホール(RC一部S造、3階、延べ5871m²)や小ホール(RC一部S造、3階、延べ3098m²)などで構成し、ともに1970年に完成した。
 人気ミュージシャンのコンサートなどが開かれ、2013年度は14万3000人の利用がある一方で、09、10年度に実施した耐震診断の結果は、大ホールはIs値0・3未満で危険性が高いC判定、小ホールはIs値0・3以上0・6未満で危険性があるB判定だった。
 市では11、12年度に、職員によるプロジェクトチームで公共施設の在り方を検討。市民会館をはじめ文化会館、科学センターなどを統合して新しい市民ホールを建設し、集約化で生じる余剰地の再開発を提案した。市民会館と同じ街区にある、勤労青少年ホーム(敷地面積約2200m²)は、老朽化などを理由に3月末で廃止した。
 市有施設の維持管理を効率化するため、市は8月をめどに公共施設白書を策定する。施設の役割や老朽度合い、耐震性などをまとめるもので、将来の施設更新や統廃合、長寿命化を検討するベースとなる。
 他方、耐震改修促進法の改正で、ホテルや病院など大型民間施設にも耐震診断が義務付けられる中、公共施設である市民会館の耐震化は待ったなしの状況。市内には代替となる施設もない。
 市民会館の取り扱いは、市有施設全体の中で議論することになるが、市の職員からは「全体計画を考えてからでは時間がかかる。市民会館は分けて考えた方がいいだろう。耐震性も低く、市長の方針で一気に動くことは十分にある」との声が出ている。別の幹部は「早ければ秋くらいに動きが出てくるかもしれない」とみる。