日本工業経済新聞社(山梨)
2014/07/09
【山梨】県峡東林務14年度事業 林道、治山整備に12・5億円
県峡東林務環境事務所(中山基所長)は、2014年度の事業概要をまとめた。予算総額は、林道と治山の両事業で約12・5億円。
林道事業では乾徳山線延長650mの開設、治山事業では甲州市大和町日影地内ほか8カ所で荒廃渓流を対象とした復旧治山工事等を行う。
主な林道事業費の内訳は、森林居住環境整備事業に2億800万円、森林管理道開設事業に2億5900万円、山村地域活性化林道整備事業に3400万円、林道舗装事業に3300万円。
一方、治山事業費では、復旧治山事業に4億7600万円、水源地域緊急整備事業に1億3900万円、予防治山事業に3800万円を計上している。
同事務所の管轄区域は、峡東地域に位置する山梨市、笛吹市、甲州市の3市で、長野県と埼玉県に接する。森林面積は、国有林208h、県有林2万6669h、東京都有林5608h、民有林2万4166hの計5万6651hで、管内総面積の約75%を占める。
管轄区域の森林は、木材生産をはじめとして、水源の涵養、山地災害の防止、生活環境の保全など、様々な恩恵をもたらしており、地域住民の生活と密接に結び付いている。
近年では、心身の癒しや安らぎ、レクリエーションの場を提供する働きや、森林の持つ二酸化炭素吸収・固定作用による地球温暖化防止機能への期待も高まっていることから、同事務所は、森林が有しているこれらの多面的機能を持続的に発揮させていくため、林道や治山、森林整備など様々な事業に取り組んでいく。
14年度事業の概要は次のとおり。
〈林道事業〉
【森林居住環境整備事業】森林整備の基礎となり、生活環境の改善にも資することを目的とした骨格的な林道を開設する。
◆乾徳山線=14年度は延長650mを開設、下半期に発注する。同路線は総延長1万6163mで、幅員は4m。1983年から着工し、15年度までに完了予定(計画期間)。
◆塩平徳和線(西区間)=14年度は延長500mを開設、下半期に発注する。同路線は総延長1万4400mで、幅員5m。1986年から着工し、16年までに完了予定(計画期間)。
【森林管理道開設事業】森林整備に直結する林内路網を形成することを目的とした林道を開設する。
◆塚本山線=14年度は延長230mを開設。下半期に発注する。同路線は総延長で3500m、幅員は4m。01年から着工し、16年度までに完了予定(計画期間)。
◆源次郎線=14年度は延長300mを開設。下半期に発注する。同路線は総延長で5700m、幅員は4m。01年から着工し、16年度までに完了予定(計画期間)。
◆大松沢線=14年度は延長280mを開設。上半期に発注する。同路線は総延長で3540m、幅員は4m。13年から着工し、19年度までに完了予定(計画期間)。
【山村地域活性化林道整備事業】山村地域の振興と居住環境の改善を目的に、林道を整備する。
◆鈴庫山線=14年度は防護施設を整備、下半期に発注する。
◆京戸岩崎山線=14年度は高速道路跨道橋を改良、下半期に発注する。
【林道舗装事業】一般車両の森林へのアクセス向上を目的に、既設林道の舗装を行う。
◆砥山線=14年度は延長700mを整備し、下半期に発注する。
〈治山事業〉
【復旧治山事業】
◆甲州市大和町日影地内ほか8カ所=荒廃渓流を対象に、復旧整備を行う。
【水源地域緊急整備事業】
◆山梨市牧丘町杣口地内ほか2カ所=水源地域の荒廃地を対象に、治山施設整備のほか森林整備を行う。
【予防治山事業】
◆笛吹市境川町大黒坂地内=荒廃の兆しのある山地の崩壊などを未然に防止するため、治山施設の整備を行う。