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建通新聞社(神奈川)
2014/07/07

【神奈川】横浜市と国交省 不動産情報システムを構築

 オープンデータを推進する横浜市は、国土交通省と連携し「不動産に係る情報ストックシステム」の整備に取り組む。市が保有する都市計画情報や防災情報などのオープンデータを基盤データとし、そこにレインズ(不動産流通標準情報システム)が保有する成約情報や、住宅所有者の住宅履歴情報、マンション管理情報のほか自治体や民間などが保有する地価、公共施設、学区などさまざまな情報を集約。宅地建物取引業者が不動産に関する情報を簡単に入手し、消費者に適切に提供できるシステムを構築する。中古住宅やマンションを活用し不動産流通市場の拡大と活性化を目指す。
 システムの開発・検討業務を国交省が日本ユニシス(東京都江東区)に委託した。横浜市は運用スタイルの検証や実証実験に参加する。
 2014年度中にプロトタイプシステム(試行版)を開発し、15年度に試行運用、検証。16〜17年度にかけてシステムを開発し、18年度の本格運用を想定している。
 情報ストックシステムには「物件情報」と「周辺地域情報」を登録する=表=。
 物件情報は▽取引履歴(レインズ情報)▽住宅履歴情報(いえかるて)▽マンション管理情報(マンションみらいネット)―を収集し、周辺地域情報である▽インフラの整備状況▽法令制限の情報▽ハザードマップ、浸水想定区域等▽周辺の公共施設の立地状況・学区情報▽周辺の不動産価格に関する情報―などとマッシュアップ(複合)する。
 現段階ですべての情報項目が集約可能であるわけではないが、できるものから順次収集してデータベースを構築する。
 情報ストックシステムを活用すれば、宅建業者は住宅の購入を考えるエンドユーザーに希望物件に関するさまざまな情報を簡単に提供し、アドバイスができる=図=。
 現在住んでいる住宅の売却を考えるエンドユーザーも、性能表示などの情報をきちんと登録しておけば、適切な価格査定に役立つ。
 情報ストックシステムは不動産市場全体の透明性や効率性を高めるとともに、中古住宅取り引きの安全を確保する。建設業者やデベロッパーなど売主は、住宅履歴情報を整備・登録しておくことで、将来流通の場での活用が期待できる。
■オープンデータで地域経済活性化
 横浜市が情報ストックシステムの試験運用に連携するのは、市が掲げるオープンデータ取り組み方針による。
 市は市が保有する統計情報やGISなどのデータを”資産”と位置づける。これまでは非営利団体などに限定していたデータの提供をビジネスニーズにも拡大、資産を積極的に提供し企業や市民の活動を支援する。データを新しいビジネスの創出などに積極的・戦略的に利活用してもらい、地域経済を活性化したい考え。
 6月24日に政策局政策支援センター内に「よこはまオープンデータデスク」を開設し、企業や団体からオープンデータ推進に向けた連携の提案を受け付けている。