日本工業経済新聞社(群馬)
2014/07/04
【群馬】総額98億円を予算化 藤岡総合病院
公立藤岡総合病院の新病棟建設で、多野藤岡医療事務市町村組合(管理者・新井利明藤岡市長)は、総額98億円の事業費を承認した。事業は、設計・施工を一括発注するデザインビルド(DB)方式で実施。事業者は、近く藤岡市が指名。総合評価落札方式を適用させた指名競争入札で決める。これまでの基本設計を基にし、今秋から実施設計に入って、2015年秋に着工、17年7月開院を目指す。
新病棟建設計画がいよいよ本格化する。民間のノウハウを活用するため、実施設計と施工を一括で行うDB方式を採用。日本設計(東京都新宿区)と同組合とで進めてきた基本設計を基に、今秋から実施設計に入り、来秋の着工を目指す。組合の担当者は「基本設計でほぼ施設の内容は決まった。実施設計者には、さらにそれを上回る提案をしてもらいたい」と期待を寄せる。
事業者は、総合評価落札方式を適用させた指名競争入札で決める予定だ。総合評価落札方式では、施工実績や地域貢献度のほか、施設を維持していくためのランニングコスト、工事を進める上での詳細な計画などの評価項目を設けるもよう。藤岡市が近く指名業者を選び入札を執行する。「遅くとも10月までには、契約を終えたい」(同組合)意向だ。
あとは各地で相次いでいる入札の不調がないことを願うのみ。「不調はもちろん心配している。もし、そうなったら、指名業者を変えるか設計を見直すかして、入札をやり直すしかない」と担当者は話す。業者と話し合った上で随意契約を結ぶ、いわゆる『不落随契』とはせず、再入札の方向で考えるようだ。
新たな病棟は外来センターの駐車場に建てる。規模はRC造8階建てで、7階までが病棟となり、8階には機械設備が入る。延べ床面積は、現在の病棟とほぼ同等の約2万1000u。新病棟建設と併せて外来センターも改修。病棟と外来センターは1、2階部分でつなぎ、行き来できるようにする。駐車場は500台程度増やす。
同組合は今月2日に臨時議会を開き、本年度事業費と15〜17年度の債務負担を合わせ、総額98億円を予算化。
当初は事業費を65億円程度と見込んでいた。増額の理由は「計画が大きく変わったわけではない。資材と人件費が高騰した結果」だという。
同病院は現在、外来と病棟が2qほど離れている。医師が行き来する手間や業務効率の悪さが課題となっていた。現在の病棟は9棟で構成され、延べ床面積は約2万2000u。組合によると、30年以上経っている施設のため、活用は難しいという。
解体するかについては今後、組合を構成する自治体などと話し合って決めていく。