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建通新聞社
2014/07/01

【大阪】堂島大橋改良で設計・施工一括発注想定

大阪市建設局は、堂島大橋の改良計画で、設計・施工一括発注を想定している。現在、基本設計を浜エンジニアリング(交野市)で進めており、2015年3月末までに施工に関する基本条件整理や概算工事費の算出のほか、一括発注の必要性を説明できる資料を作成。15年度以降の発注に備える。一括発注は同市の橋梁整備では初めて。事業者の選定方法にはプロポーザルを想定する。
 堂島大橋は、1927年に架設された高齢橋。老朽化しているものの、中之島エリアの景観形成のシンボル的な施設として位置付けられており、特徴的なアーチ部を残す形での改良を試みる。
 昨年度までの調査で、アーチ主構部は比較的健全な状態であることが判明。桁下に適切なスペースを確保し、床版と床組みを改良する。
 基本設計では、現況の道路縦断勾配以下で、桁下高OP(大阪湾最低潮位)4b以上を確保することを条件に実現可能な構造を固める。
 修景関係は、歴史的価値のある橋梁として周囲の景観に調和するように、全体のイメージパースを作成。橋面と橋詰め空間(高欄、親柱、舗装、噴水など)の修景についても検討する。
 耐震性能照査は実施済みで、上下部共に許容値を満たしていた。ただ、橋台の躯体にひび割れや漏水、鉄筋の露出などが確認されており、補修や改善が必要になりそうだ。
 アーチ主構部の変状対策については、▽支点部調整工案▽タイドアーチ化案▽ローゼアーチ化案−の3案から絞り込む。床組み改良は、全面通行止めによる施工とし、桟橋工法のほか、大型重機と台船を用いた架設工法かブロック施工とする施工計画案をまとめており、今後、基本設計の中で最適案を選定する。
 このほか、鋼材腐食部の塗装塗り替えやコンクリート躯体の断面修復などの劣化・損傷対策も検討する。
 同橋の橋長は76・14b(有効幅員22・7b)。堂島十三線として府立国際会議場北側の堂島川に架かっている。場所は大阪市福島区福島3丁目〜北区中之島5丁目。上部工は下路式2ヒンジソリッドリブアーチ。下部工はラーメン橋台。橋台基礎は松杭。
 桁下空間にゆとりのない堂島大橋は、舟運のボトルネックとなっており、全体の改良と併せて桁下空間の確保が急がれる。