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日本工業経済新聞社(群馬)
2014/06/30

【群馬】建築関連工事の入札時提出書類を大幅簡素化

 県県土整備部は、7月1日以降に各所管課が入札実施する建築関連工事について、提出書類を大幅に簡素化することに決めた。これまでは入札参加者の税抜き積算金額が2000万円以上の場合、建築関連工事では種目別内訳書、科目別内訳書、中科目別内訳書、細目別内訳書に至るまですべての内訳書を提出することとしていたが、1日からは種目別内訳書と科目別内訳書までとする。平均で50枚ともいわれる提出書類が最少で1枚にまで簡素化され、入札参加者の負担が大幅に軽減される。

 建築関連工事(建築物または建築設備などの新築・増築・改築・改修などにかかわる建築一式工事および電気工事、管工事、塗装工事、防水工事など)は土木工事と比較して、入札時に提出する書類が格段に多かった。
 「群馬県競争入札心得」と「工事等入札・契約事務に関する取扱い」によって、県が発注する建築関連工事は、入札参加者の税抜き積算金額が2000万円以上の場合、工事費内訳書を提出することとしている。提出枚数は平均でおおむね50枚ともいわれ、入札に参加するだけでも膨大な手間や労力が掛かり、建設産業界や議会から提出書類の簡素化を求める要望が出されていた。6月9日の県議会産経土木常任委員会で岩上憲司委員(新星会)が「工事内訳書作成段階での手間を省くべき」と指摘したほか、27日には県議会自由民主党社会資本整備推進議員連盟(腰塚誠会長)と産経土木部会(井田泉部会長)から「建築工事の入札時における内訳書等の添付書類については、より一層の簡素化を図ること」を盛り込んだ要望書が古橋勉部長に手渡されたところ。
 こうした経緯を踏まえるとともに、近年の建設工事の発注量増加や建設産業界における人手不足の状況などを総合的に検討した結果、建築関連工事における入札時の提出書類を最少1枚まで簡素化することで、入札参加者の事務負担の軽減を図ることとした。県土整備部以外の関係部局に対しても参考として周知する。
 入札時の工事費内訳書の提出範囲は、原則として種目別内訳書と科目別内訳書までとする。住戸改善工事といった部屋ごとに工事内容が違うなど発注者が必要と判断した場合は、別途入札説明書または現場説明書にその旨を特記するが、それでも提出書類は5枚程度にまで抑える。ただし◇工事落札者に対し契約時に発注者から提出を求められた場合◇不調不落入札時において発注者から調査資料として提出を求められた場合◇低入札価格調査時において発注者から調査資料として提出を求められた場合◇その他発注者が必要と認めた場合−は、これまで通りすべての内訳書を提出することとする。県は今回の措置を講じることで「土木工事と同程度の負担で済むようになる」と話している。今回の措置は期限を区切らずに適用する。