北海道建設新聞社
2014/06/30
【北海道】旧函館区公会堂30年ぶりに改修へ15年度から計画策定
函館市は、国の重要文化財に指定されている旧函館区公会堂を約30年ぶりにリニューアルする方針だ。本年度の耐震診断の結果を踏まえて2015、16年度で保存活用計画を策定。早ければ17年度に設計、18年度にも保存に向けた整備を開始する。補強・改修費は数億円規模に上りそうだ。
公会堂は1910(明治43)年、函館大火で焼失した町会所に代わる施設として元町11の33に建造。左右対称形の明治洋風建築物で、2階にベランダや屋根窓を配し、玄関、左右入り口のポーチの円柱に柱頭飾りがあるなどの特徴を持つ。
本館がW造、2階、延べ1761m²、付属棟がW造、平屋、延べ138m²の規模。基礎は布、独立いずれもれんが積み、木部は土台が一部ヒバでそのほかはエゾマツ、屋根は能登瓦をそれぞれ使用している。
80―82年には3億5500万円をかけ、部分解体を含む大規模改修で当時の姿に復元。その後は部分改修をしてきたが、外壁の剥がれや柱の腐食、雨漏り、設備の老朽化が目立っている。
当初は、北海道新幹線が開業する15年度末までの改修を計画。しかし、東日本大震災後、重文を補修する際には耐震診断が必要になり、診断を経て2カ年で保存活用計画を策定することにした。
文化財としての価値を損なわず保存することを前提に、大規模地震でも耐え得る安全水準を確保する。バリアフリー化や断熱性向上、設備更新なども視野に入れ、関係機関や利用者らと協議して整備方針をまとめる。