静岡県は23日、「公共事業生産性向上推進プログラム」に基づく2009年度〜13年度の5年間のコスト縮減額が約119億円に達したと発表した。投資的経費などに対する毎年の縮減率は1・1〜1・6%となった。県有施設を活用した新エネルギー導入による環境負荷の軽減や、設計VEによる設計見直し、建設副産物対策などを継続的に行った結果が反映された。また、13年度縮減額は前年度の約1・5倍となる約31億円となった。県は、14年度からの次期プログラムを本年度中に策定する予定。
13年度は、河川水門で長寿命化計画に基づく予防的補修工事を実施して効率的な維持管理を推進するなど、公共事業の品質の向上に必要な16施策109取組のうち、16施策106取組で一定の進捗が得られた。また、県内発注工事全体の施策取組数は1万9202(前年度は1万5957)と増加していることから、全体として生産性が向上したと評価した。
具体的な取り組みの内容は、▽狭隘道路の円滑な交通対策として、高知工科大学との連携でセンサーと表示板を効果的に組み合わせたシステム整備で対応(縮減額5億0600万円)▽新技術・新工法(PAN WALL工法、多機能フィルターなど)の積極的な活用(同3億7000万円)▽浄水場で発生する土の園芸用土などへのリサイクル活用(同3億9300万円)▽漁港の機能保全計画に基づき稲取漁港外で予防保全的な補修実施(1億6600万円)−など。
この他、事業執行効率化対策として事業着手準備制度を18カ所で活用して着手を決定した。また、総合評価落札方式による入札を工事653件、建設関連業務委託119件で実施した。長期負担軽減対策では、河川水門の長寿命化計画策定(33基)を進めるとともに、予防的な補修工事(8基)に着手した。
(2014/6/30)
建通新聞社 静岡支社