建通新聞社
2014/06/23
【大阪】建専連地方支部長と近畿地整が意見交換
国土交通省近畿地方整備局と建設産業専門団体(建専連)地方支部長との意見交換会が6月19日、大阪市内で開かれ、ダンピングの起きにくい競争環境整備や担い手の確保育成、社会保険未加入企業の排除などについて、話し合った。
意見交換会では、近畿建設軀体工業協同組合の吉岡隆一副理事長や大阪府左官工業組合の邑智保則理事長ら5人が代表して、▽適正工期・価格での発注▽登録基幹技能者の活用、評価▽社会保険料などの未加入企業の排除▽元下業務の明確化▽技能工の区別化−などの要望事項を伝えた。
近畿地整は、登録基幹技能者の活用について「総合評価で加点対象にしている。事後の評価は、工事成績に表れてくるかもしなれないので、今後精査したい」と答えた。
社会保険未加入企業の排除では、標準見積書の活用状況のアンケート調査結果を示した上で、「今後も周知徹底していくが、元下間(民民)の契約に強制力を持たせるのは限界がある。デベロッパーなどに対策の内容をしっかり伝えていきたい」との考えを示した。
元下業務の明確化や適正な支払いへの対応は、「契約や見積もりの内容を書面で残してもらい、通報してもらうしかない」と返答。技能工については「重要な役割を担っていると認識している。個々の技能の見える化に取り組んでおり、2016年度には、社会保険加入状況も一度に分かるシステムを構築し稼働させる予定だ」と説明した。
建専連の才賀清二郎会長は「人手不足は深刻だが、適切に対価を払えば必ず人は来る。国や経済団体にはわれわれの取り組みを理解してもらい、若者が働きたくなる産業にしなければならない」と強調。建専連近畿地区連合会の北浦年一会長は「ゼネコンの大手5社ぐらいは国に指導してもらって、あとはわれわれが自分自身を変え、下から突き上げることで環境を改善していくという努力が必要だ」と話した。
意見交換後、総括を求められた近畿地方整備局の池内幸司局長は「建設業界は高齢化と若年労働者の不足で、いびつな構造になっている。今後10年が勝負だろう。それには、適正水準での契約と支払い、社会保険の加入促進が重要。本気で取り組み、業界全体の改善につなげたい」と述べた。