建通新聞社(神奈川)
2014/06/20
【神奈川】神奈川県・黒岩知事 不調のリハビリテーションセンター新棟新築工事 再公告を準備
神奈川県の黒岩祐治知事は20日の県議会で、(社)神奈川県総合リハビリテーション事業団が本年3月に入札し、不調となった「神奈川県総合リハビリテーションセンター新棟新築工事」について、「全国的な公共工事の不調頻発の傾向のひとつ」との見方を示すとともに、「再度不調とならないよう事業団と再公告の準備を進めている」とした。
「神奈川県総合リハビリテーションセンター新棟新築工事」では、事業団が県から事業を受託し、建築と設備3件(電気、衛生、空調)の条件付き一般競争を公告。3月20日に第1回目の開札(空調は応募はあったが入札参加辞退)を行い、いずれも有効な価格でなかったため、28日に同様の参加メンバーで再入札したが、再び不調となり、落札者決定を断念した。その後、現在までに今後の対応は決まっていない。
事業団は不調の内容を明らかにしていないが、黒岩知事は「東日本大震災の復興、東京五輪開催準備などで、工事需要が急増し、全国的に不調が発生している。今回の案件もその傾向の中のひとつ」としており、予定価格をオーバーしたための不調であることが明確。現在進めている「再度不調とならない準備」は、人手不足や資材の高騰を考慮した予定価格や工期設定の再検討と見られる。再公告の時期は明らかになっていないが、「療養環境の改善は急務」としており、今後、早期の再公告が見込まれる。
建築場所は、厚木市七沢516ほかの現センター内。公告時の新築規模は、鉄骨鉄筋コンクリート造地下1階地上5階建て延べ1万9466平方bと鉄筋コンクリート造3階建て延べ7356平方bの新築。工期は2016年8月31日。
建築、3設備ともAランク3者のJVで入札参加を募った。設計は、山下設計(東京都中央区)が担当。
事業団は、県と工事に関する協定を締結(現在の協定期間は18年3月末まで)。事業団が工事発注や進行管理を行う。協定金額は、108億7870万円。