日本工業経済新聞社(山梨)
2014/06/18
【山梨】県富士東部林務14年度主要事業 林道、治山整備に20億
県富士東部林務環境事務所(大芝秀明所長)は、2014年度の事業概要をまとめた。予算総額は、林道と治山の両事業を併せて20億円。林道事業では細野鹿留線L900m、また治山事業では大月市葛野ほか7カ所で山腹崩壊地や荒廃山地を対象とした復旧整備を行う。同事務所では、林道と治山の両事業を柱とした継続的な森林整備を進めていく。
主な林道事業費の内訳では、森林居住環境整備事業に6億6500万円、山村地域活性化林道整備事業に7700万円、林道舗装事業に2300万円。一方、治山事業では、復旧治山事業に4億4800万円、水源地域緊急整備事業に1億2700万円、水土保全治山事業に6500万円、予防治山事業に4000万円を予算計上している。
同事務所の管轄区域は、県東部から南東部に位置する4市2町6村で、東京都と神奈川県が接する。森林面積は、国有林496h、県有林3万9320h、民有林6万7770hの、計10万7586hで、管内総面積の約82%を占める。
管轄区域の森林は、首都圏における水源林として重要な位置にあり、豊かな自然環境等の立地条件が整っている。このため、森林レクリエーションなど、森林の総合利用への期待も高く、森林生産活動との調和を図りながら、景観にも十分配慮した森林の活用が進められている。
14年度事業の概要は次のとおり。
〈林道事業〉
【森林居住環境整備事業】森林管理のほか、山村地域の生活道路や森林レクリエーションを利用目的とした林道を開設する。
◆富士東部(北)線=14年度はL200mを整備、上半期に発注する。同路線は、総延長1万4500mで、幅員は5m。1983年から着工し、2015年までに完了予定(計画期間)。
◆富士東部(南)線=14年度はL500mを整備、上半期に発注する。同路線は、総延長1万4400mで、幅員5m。1983年から着工し、2020年までに完了予定(計画期間)。
◆菅野盛里線=14年度はL520mを整備。下半期に発注をする。同路線は、総延長で2万400m、幅員は5m。1987年から着工し、2015年までに完了予定(計画期間)。
◆細野鹿留線=14年度はL900mを整備し、上半期にL500mを発注する。同路線は、総延長1万5200mで、幅員は5m。1996年から着工し、2018年までに完了予定(計画期間)。
【山村地域活性化林道整備事業】山村地域の振興と、居住環境の改善を目的に整備を実施する。
◆真木小金沢線=14年度はL400mを整備、上半期に発注する。同路線は、総延長1万5200mで、幅員は5m。1996年から着工し、2018年までに完了予定(計画期間)。
【林道舗装事業】=一般車両の森林へのアクセス向上を目的に、既設林道の舗装を行う。
◆奈良子線=14年度はL600mを整備し、上半期に発注する。
〈治山事業〉
【復旧治山事業】
◆大月市葛野ほか7カ所=山腹崩壊地、荒廃山地を対象に、復旧整備を行う。
【水源地域整備事業】
◆本沢上流ほか1カ所=水源地域の荒廃地を対象に、治山施設整備のほか森林整備を行う。
【水土保全治山事業】
◆都留市鹿留トビゾオリ=荒廃が著しい危険地が集中し、保全対策に重大な被害を与える恐れのある地域において、集中的に治山施設整備と、森林整備を行う。
【予防治山事業】
◆上野原市下石原地内=山腹崩壊危険地など荒廃の兆しのある山地の崩壊などを未然に防止するため、施設整備を行う。