建通新聞社
2014/06/13
【大阪】道頓堀・敷津運河の耐震化優先 大阪市
大阪市建設局は、所管する河川施設のうち、道頓堀川と住吉川(敷津運河)の既存堤防延長約2・3`区間の耐震化を優先するため、2014年度中に耐震補強に向けた詳細設計を作成し、早ければ15年度での工事発注を目指す。
同局の14年度予算では、南海トラフ巨大地震・津波に伴う河川施設の耐震対策事業として、9億5000万円を配分。現在、道頓堀川と敷津運河の詳細設計を日本水工設計(大阪市中央区)に委託し、15年3月末の納期で進めている。
対象区間は、道頓堀川が、大阪市西区南堀江の道頓堀川水門〜湊町間1300bの両岸。耐震性能照査1断面を行うとともに、別途委託の土質調査の結果と予備設計を踏まえ、詳細設計13断面をまとめる。
土質調査はシマダ技術コンサルタント(大阪市淀川区)が担当。納期は12月26日。予備設計は修成建設コンサルタント(大阪市北区)で昨年度までに作成済み。
住吉川は、住吉区柴谷1丁目〜泉1丁目までの敷津運河950b区間の東岸を対象に、耐震性能照査2断面、予備設計、詳細設計9断面を行う。土質調査は別途、ソイルシステム(大阪市東成区)に委託している。
このほか、城北川の菫橋〜水門間2断面の耐震性能照査も一括して行う。
大阪市では、南海トラフ巨大地震に対する堤防などの耐震対策を本年度から本格化させており、市域河川の当面の耐震化延長を13・9`とし、うち道頓堀川と住吉川の2河川について最優先で耐震化に取り組む方針としている。
昨年の府防災会議では、南海トラフ巨大地震により地盤が液状化し、市域の堤防73・2`が沈下するとされ、うち延長46・6`が市施行となる。
14年度はこのほか、7億6000万円を投じて、住吉川下流部(事業中区間)の耐震護岸と雨水滞水池の整備を進める。