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福島建設工業新聞社
2014/06/12

【福島】浜通りで火発新設相次ぐ/28年に4基着工の計画 天然ガス火発構想も

 浜通りで火力発電所の新設計画が相次いでいる。5月16日に東京電力が石炭ガス化複合発電設備(IGCC)2基の計画段階環境配慮書を公表したのに続き、同26日にエイブル(広野町)がいわきエネルギーパーク、同27日に相馬共同自家発開発合同会社(東京都)が相馬中核工業団地東地区内共同自家発新設計画の環境影響評価方法書を公表した。4基とも28年の着工を計画している。また先行してエム・セテック相馬工場内発電所新設計画が動き出しているほか、天然ガス火力発電所建設構想もあり、既存の新地・原町・広野・勿来―各発電所に加えて、県内の火力発電所は数年以内に大幅増となる見通しだ。
 天然ガス火発の建設構想は、相馬港にLNG受入基地を建設する石油資源開発が検討している。相馬LNG基地は、カナダ産シェールガスを受け入れる大型貯槽タンク、外航船受入バース、出荷設備等を相馬港に建設し、同港から新潟・仙台ライン(名取市)に接続するパイプライン約40`等を敷設する計画。火発計画はこの天然ガスを活用するもので、構想では同基地隣接地と南相馬以南に発電所を設置し、首都圏への送電を想定している。併せて、相馬基地からガスパイプラインの南下も検討する見込み。
 東電の建設計画は、東電広野発電所と常磐共同火力勿来発電所に、福島の復興を後押しする大型の最先端IGCC実証機を新設するもの。勿来は常磐共同火力との共同事業。2基とも50万`h(KW)級で計画しており、28年の着工、32年以降早期の運転開始を目指している。実証後、商用化と海外輸出も視野に入れている。
 いわきエネルギーパークは、いわき市好間中核工業団地に11万2000KW級の石炭火発1基を新設する計画。着工は28年3月、運転開始は30年4月を目指す。
 相馬中核工業団地東地区共同自家発計画は、同地区の製造業向けに11万2000KW級の石炭火発1基を新設する。建設地は同地区のADEKA相馬工場内で、28年4月着工、29年12月運転開始を予定している。
 計画が先行しているエム・セテック相馬工場内発電所新設計画は、オリックスが事業化を検討している。当初事業者の石原エンジニアリング・パートナーズが25年12月までに環境アセスの準備書手続きまで終了させ、26年1月7日付でオリックスに事業譲渡した。計画では、相馬中核工業団地の同工場内に11万2000KW級1基の石炭火発を建設し、主に同工場に電力を供給する計画となっている。着工時期等は未定。
 また、既存の東北電力原町火力発電所では、木質バイオマス燃料の導入に向けた混焼設備設置工事を進めている。バイオマス燃料の年間使用量は、最終的に約6万dを見込んでいる。受け入れるヤードとホッパ、払い出し用コンベアなど追加設備工事に4月から着工し、来年3月の完成、4月の試運用開始を予定している。