日本工業経済新聞社(群馬)
2014/06/11
【群馬】歴史博物館改修建築工事が近く公告へ
県は、高崎市綿貫町にある県立歴史博物館の改修工事に着手する。本年度当初予算に3億1800万円の事業費を計上したほか、2015年度を期間とする改修工事費22億6262万5000円の債務負担行為を設定。工事は建築と設備で分離して発注となり、建築工事が近く公告されそうだ。県内業者同士によるJV編成での参加を受け付けることが見込まれる。9月議会に建築工事の契約議案を上程し、11月の着工を目指す。
設備工事は、建築工事に遅れて公告される見通し。さらに複数に分離しての発注となるが、現在は最終的な調整を行っている段階。入開札日も建築工事とずれることになるが、着工は建築工事と同時期になりそうだ。
県立歴史博物館(1979年開館、RC造2階地下1階、延べ床面積7819・79u)の改修は、2011年8月に起こった展示資料への水滴染み事故を受けて実施するもの。外観はそのまま変更されないが、内部のつくりを大幅に変える。現在の企画展示室スペース部分を常設の東国古墳文化展示室にするのが目玉で、東国古墳文化展示室に誘導する動線を構築する。
建築工事では◇トラックヤードの増築◇視聴覚室客席レイアウト変更◇既存カーテンウォールの撤去、断熱サッシ+Low−eペアガラスのカーテンウォールに更新◇外壁タイル面、打ち放しコンクリート面不良箇所の補修◇陸屋根部分にウレタン塗膜防水、屋根回りのシーリング打ち換え◇外部建具の改修(断熱サッシ+Low−eペアガラスへの更新など)◇各室内装全面改修(既存内装材・断熱材撤去、屋根・外壁面へ現場発泡ウレタン施工)◇木製建具、鋼製建具の新設、補修◇地階・2階の収蔵庫・機械室などの内装改修◇地階収蔵庫などの二重床化による防湿性能改修、外壁面の防水改修◇収蔵棚などの改修、集密書庫の解体移設−などを予定している。
ことし11月に着工し、工期は15年10月までの1年間を見込んでいる。16年度のプレオープンを予定しているが、工事完了後も文化庁長官から「公開承認施設」の認定を受けるため、約1年間をかけて室内環境調査を実施する。室内環境調査の完了後、17年度のグランドオープンを目指す。
実施設計は日本設計(東京都新宿区)が手がけている。