日本工業経済新聞社(群馬)
2014/06/10
【群馬】全公立学校の耐震化率は91・3%
文部科学省は、公立学校施設の耐震改修状況調査の結果を発表した。群馬県内の公立学校施設は、ことし4月1日現在で、全公立学校の耐震化率は91・3%で、耐震化が必要な残棟数は261棟となっている。県教育委員会管理課は県立施設について「群馬県耐震改修促進計画」に基づき、2015年度までに耐震化率100%を目指す。市町村立施設についても耐震化率の向上を図る。
過去3年間の全公立学校の耐震状況を振り返ると、12年度の耐震化率は84・6%、13年度は88・2%、14年度は91・3%となっている。
今後耐震化が必要な261棟のうち、県立施設は42棟で、県立学校全体の耐震化率は95・6%。県教委管理課では、本年度に20棟、15年度に22棟の耐震化を図る。
市町村立施設のうち、今後耐震化が必要な建物は、幼稚園が16棟、小中学校が194棟、高校が7棟、特別支援学校が2棟の計219棟となる。
残棟数が多い小中学校をみると、耐震化率は市町村ごとにばらつきがあり◇片品村が54・5%◇嬬恋村が60・0%◇草津町が60・0%◇甘楽町が75・0%◇高崎市が78・4%◇大泉町が79・5%◇渋川市が83・1%◇伊勢崎市が87・4%◇沼田市が87・7%◇安中市が87・7%◇東吾妻町が88・0%◇前橋市が90・6%◇榛東村が90・9%◇邑楽町が93・1%◇館林市が93・8%◇藤岡市が98・3%◇富岡市が98・3%◇太田市が99・5%−となっている。これ以外の約半数にあたる17市町村はすでに100%に達している。
ただ、100%に達していない市町村でも、例えば片品村では片品小学校の新校舎建設、嬬恋村では西部小学校の新校舎建設、草津町では草津小学校体育館の耐震補強、甘楽町では統合中学校の建設、高崎市でも箕輪小学校の新校舎建設や各小中学校での耐震補強工事などがそれぞれ進んでいる。耐震化率が高くない自治体の多くは、分母にあたる全棟数が少なく、現在進められている学校施設の耐震化を終えることで大幅な耐震化率の上昇が見込まれる。
一方、屋内運動場などにあるつり天井など非構造部材の耐震化も計画的に進める必要がある。県内で対策がまだとられていない棟数は194棟で、うち県立学校施設は39棟(高校34棟、特別支援学校5棟)。県教委管理課では15年度までに耐震化率100%とすべく、14年度に20棟、15年度に19棟で対策を講じていく計画。市町村でも耐震点検や設計業務が順次進んでいる。