日本工業経済新聞社(群馬)
2014/06/09
【群馬】県中部農業の大正用水で2事業が始動
県中部農業事務所農村整備課は、本年度から大正用水の保全対策工事を基幹水利施設保全事業(水路工)と農業基盤整備促進事業(法面保護工)の2事業でスタートさせる。本年度は水路工の実施設計を委託するほか、法面保護工で一部着工を予定している。水路工改修へ向けた実施設計は7月中に指名競争入札で委託する。一方、法面保護工がメーンの農業基盤整備促進事業は今月11日に実施設計業務が開札となる。
同課は、本年度の当初予算に基幹水利施設保全事業と農業基盤整備促進事業とを合わせて6500万円を計上しており、それぞれ事業を促進する。
【基幹水利施設保全事業】大正用水総延長23・9qのうち、劣化が著しい平板ブロック開水路区間と2カ所の水路橋で保全対策工事を行う。総事業費約5億円を試算しており、2018年度までの5カ年事業で進める。実施設計は7月中に指名競争入札で委託する。
工事は、計L1447mの既存開水路(W2m〜W4・4m)をコンクリートブロック積み護岸3面水路へと更新する内容がメーン。このほか、2カ所の水路橋でクラック補修工、防水処理工、鉄筋防錆工、伸縮装置の更新なども実施する。
【農業基盤整備促進事業】大正用水L23・9qの中から、22カ所(L2600m)を抽出して法面保護の対策工を講じる。総事業費には2億5700万円を見込んでおり、18年度までの5カ年間で事業の完了を目指す。実施設計業務は、今月11日に開札される。また、一部法面保護工2000uにも着手する。
全体計画はL2600m(1・3ha)の法面保護で、コンクリート吹き付け工を実施するほか、排砂門などの補修工事を8カ所で実施する。
大正用水は、前橋市と伊勢崎市の受益面積1529haの農地に用水を安定供給するかんがい施設で、1965年から77年にかけて改修され、大正用水土地改良区により維持管理が行われている。ただ、改修後40年以上が経過し、施設の老朽化が著しく進行しているため、2009年度に機能診断調査を実施。10年度に機能保全計画を作成し、第1期目となる保全対策工事を11年度から13年度に実施した。1期事業の完了を受けて今回水路と法面保護の改修とに分けて事業化することとした。