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福島建設工業新聞社
2014/06/03

【福島】県工事の資格登録/新卒採用で最大20点加点/若手確保育成へ 社会保険加入も条件化

 県は、工事の27・28年度定期資格審査で、資格登録者の社会保険3保険加入を要件化。県内登録者対象の主観点評価で、新卒者採用に対する評価を新設し、最大20点を加点する。
 新卒者採用の評価は、若手技術者等の確保・育成の観点から、こうした取り組みをする企業にインセンティブを与える。新採用した新卒者を、審査基準日時点で常用雇用し、申請日時点で継続雇用していることが条件で、1人最大5点、最大20点を申請のあった全業種で加点する。
 現在の評価項目では、「技術職員の数」として1人2点、最大20点を加点しているが、これと並ぶ加点幅になる。「技術職員数」との重複評価もするため、新規採用したことで5点、技術職員数でさらに2点の加点が得られるケースもある。
 対象となる新卒者は、審査基準日の3年前の年度の4月1日以降に、高校、大学、大学院、短大、高専、専修学校や職業能力開発促進法に規定する公共職業能力開発施設、職業訓練法人が設置する認定高等職業訓練校の過程を卒業した者。今回の定期資格審査では、23年度(24年3月)以降3カ年度分の新卒者が対象になる。
 前記条件を満たしていれば、採用前の職歴があっても評価対象とする。事務系、技術系の別は問わないが、有期雇用やアルバイト、日雇い等は対象外。
 新卒者雇用に対する主観点評価は3月末現在、14県で取り入れているという。
 若手技術者育成への取り組みで県は、今年度の総合評価方式の運用で、「配置予定技術者の技術力」評価を見直し、現場代理人での実績も主任・監理技術者と同等に評価対象化しており、これに続く後押し策になる。
 社会保険加入では、未加入対策の一環として国土交通省が8月から、直轄工事で元請と下請代金総額3000万円(建築一式4500万円)以上の1次下請を対象に、未加入者排除を打ち出しており、県も国に準じて27・28年度資格審査で、県の資格登録を得ようとする申請者に3保険(健康保険、厚生年金保険、雇用保険)すべての加入を条件付ける。
 まずは元請となる資格登録者を義務化の対象にする。1次下請に対する加入の要件化は、国の実施状況を見定めて検討・判断する。今回は工事のみで適用。個人事業主等で社会保険の適用除外となる場合は対象外。
 今回の定期資格審査では、今年7月1日が審査基準日となるが、社会保険加入を要件化したことの周知と未加入者の加入手続き期間を確保するための特例として、申請受付開始日の9月1日時点で保険加入が確認できれば審査の受審を認める。
 現在の25・26年度資格で、3月末現在登録のある県内1549者のうち知事許可の1498者について県が経営事項審査から確認したところ、3保険のいずれか1つでも未加入の登録者は、最大で43者だけだった。
 このほか25・26年度資格審査で講じた、原子力災害に伴う審査基準日の選択を認める特例措置も継続する。警戒区域等の所在企業が対象。受注機会喪失などに対応し、審査基準日を、申請者の選択で震災発生の23年3月11日とすることも認める。資格の有効期間中1度だけ、もう一方の審査基準日による申請し直しも可能とする。
 震災など23年発生3災害の対応に対する評価も継続する。今月からは総合評価入札で、今年2月豪雪への対応も加点対象化しており、資格審査でも評価対象に加える。
 資格審査の申請の仕方等に大きな変更はない。建設業法改正で業種区分に新設される「解体工事業」の扱いは、法施行に合わせて今後検討する。
 資格審査の日程は、審査実施期間が例年通り県内向け9、10月、県外10、11月。
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 県は、定期資格審査の説明会資料をホームページ上に掲載した。総務部入札監理課のHPから入手できる。9日から4会場で開く説明会に出席する際には、あらかじめ資料を印刷して持参する。