建通新聞社(神奈川)
2014/06/02
【神奈川】京浜港湾 東扇島水江町臨港道路 環境アセスで見解書作成中
臨海部の交通渋滞の緩和、東扇島地区と川崎市内陸部のアクセスの多重性確保を目的に整備が計画されている川崎港東扇島〜水江町地区臨港道路。同事業では、川崎市の条例に基づく環境アセスメント手続きが進められている。国土交通省京浜港湾事務所が作成した「準備書」はことし1月28日から3月13日まで公告・縦覧された。縦覧時に寄せられた意見書について同事務所は現在、見解書を作成中だ。今後、見解書の策定が終わると川崎市に提出し、縦覧に付され、その後審査書の公表、評価書の縦覧と進むことになる。京浜港湾事務所では東扇島〜水江町地区臨港道路整備事業費として14年度に約76億円を確保。環境アセスメントの手続きが完了した場合に、仮設工、調査設計、用地補償などを行えるよう備えている。そこで、あらためて公告・縦覧された準備書から工事概要を見る。
起点となるのは臨港道路東扇島線5号道路で、終点は市道皐橋水江町線。総延長は約3`、標準幅員7bから20b。車線数は往復4路線(一部2車線)で片側に歩道が付く。歩行者用エレベーターは水江町側に1基、東扇島側に3基設置する予定。
京浜運河を渡河する部分の主橋梁部は2基の主塔で支える斜張橋で延長約0・7`、またアプローチ部は東扇島側が約1・3`、水江町側が約1`。主塔の高さは東京湾平均海面から約100b。
計画では、主橋梁部の施工を進める準備工として、クローラクレーンや油圧バイブロハンマを使用し仮設構台を設置。その上でクラムシェルによる井筒内掘削を実施する。主桁はフローティングクレーンを使って架設する。1年目は準備工にかけ、東扇島側アプローチ部、主橋梁部は1年目後半から、水江町側アプローチは2年目から着手し、5年目で施工を完了させる。完成予定は平成30年度。
工事中の騒音対策としては、最新の低騒音型の建設機械を積極的に使用するほか、高負荷運転を避けるなど騒音の増大を防ぐとしている。また工事に伴う廃棄部としては、がれき類(アスファルトコンクリートがらなど)が約3万3900d、汚泥が約11万5900dと予測され、がれき類は全量資源化する。建設発生土は約10万1600立方bと予測され、このうち約3万4500立方bは埋戻しなどで場内で再利用し、残り約6万7100立方bは指定処分地に搬入処分するとしている。