建通新聞社(神奈川)
2014/05/28
【神奈川】小田急多摩線延伸・リニアまでに 相模原・町田間で覚書
加山俊夫相模原市長と石阪丈一町田市長は26日、小田急多摩線延伸の積極的取組について覚書を交わした。リニア中央新幹線が開業する2027年までに延伸の実現を図るとしている。
小田急多摩線の延伸は、00年1月の運輸政策審議会で「唐木田からJR横浜線、JR相模線方面への延伸について、今後整備について検討すべき路線(B)」に位置付けられた。06年5月の在日米軍再編協議では、相模総合補給廠の一部約15fのほか、鉄道・道路用地として約2fの返還が基本合意され、08年6月の日米合同委員会で正式合意となった。
相模原市、町田市は06年11月に「小田急多摩線延伸検討会」を設置。11年5月に公表した「路線の意義・必要性の再整理、事業実現化方策の検討等調査結果」では、3駅整備を前提に一定の条件のもとで事業採算性が見込まれるとした。
検討の深度化を図るため、12年7月に「小田急多摩線延伸計画に関する研究会」を設置し、12・13年度の2カ年をかけて調査を実施。@概略路線計画の検討A概算建設費の試算B需要予測・事業採算性の検討C整備効果(費用便益分析)D調査から見えた課題−をまとめた。
これによると延伸による整備区間は唐木田(多摩市)〜中間・新設駅(町田市)〜相模原(相模原市)〜上溝(相模原市)間の約8・8`。概算建設費は1080億円(うち用地費は100億円)。新設駅は高架2層構造とし、概算建設費65億円。相模原駅は地下2層構造とし、概算工事費220億円。上溝駅は高架構造とし、概算工事費は85億円。
覚書では、3駅整備を前提に、リニア中央新幹線(東京都・名古屋市間)の開業が予定される27年)までの延伸実現(開業)を目指した取り組みを進めるとしている。
また、関係機関との合意形成に向けて、15年に想定される次期交通政策審議会答申での位置付けや沿線のまちづくり計画の策定など必要な事項について、積極的に取り組む。
両市は、政策の企画・立案面を含めた情報交換を活発に行い、広域的なまちづくりに向けて、両市の連携を更に強化していくことを確認した。