日本工業経済新聞社(山梨)
2014/05/27
【山梨】県峡東建設事務所主要事業 国道411号関連に重点
県峡東建設事務所(小池厚所長)は2014年度の主要事業をまとめた。
注目事業として道路事業は「国道411号関連工事」、河川砂防事業は「平等川河道拡幅工事」、都市計画事業は「山梨市駅南線T期の起業地確保」を挙げた。
国道411号工事では本年度、上萩原V期バイパスの残りのトンネル工事や橋梁工事、また勝沼拡幅では用地買収を進めるとともに、歩道設置などを進める。
14年度の主要事業は次のとおり。
■道路事業
【国道411号上萩原V期バイパス(甲州市上萩原)】
甲州市と丹波山村などを結ぶ同線の改良事業。急カーブが続く山岳道路で法面の崩落などが頻発したことがあり、安全性の確保や防災対策を目的に順次バイパス建設を進めている。
第V期バイパスは、延長1900m、幅員5・5m(全幅7・0m)。トンネルを2カ所、橋を3カ所に整備する。全体事業費は約40億円を見込む。昨年度までに、トンネル1カ所と橋を1カ所、補強土壁などを整備し一部供用を開始した。
本年度は、残りのトンネル工事、橋梁工事の発注を予定している。
【国道411号勝沼拡幅(甲州市勝沼〜等々力)】
歩道設置を含めた道路拡幅事業。東雲小学校の通学路になっているため、充分な歩道を確保するとともに景観に配慮し電線類の地中化を行う。
全体計画は延長2000m、幅員6・5m(全幅13m)。総事業費は34億円。昨年度までに用地買収のほか、歩道設置、大塚橋の建設工事を実施した。
本年度は引き続き用地買収を進めるとともに、歩道設置、大塚橋付近の供用を行う。
【塩山停車場大菩薩線・赤尾橋架替(甲州市塩山赤尾)】
赤尾橋の架け替えを含む道路改良。現在は道幅が狭くクランクもあるため、車のすれ違いがしづらい状況。バイパスと新橋により改善、道幅も広げ利便性を向上させる。
全体計画は延長800m、幅員5・5m(全幅9・5m)。総事業費は8億円。昨年度までに国道側の用地を中心に5割程度の用地買収を終えた。
本年度は、用地買収を進めるとともに国道からの一部工事と赤尾橋の左岸橋台を発注する予定。
新たな赤尾橋は現橋の下流に建設。2径間連続非合成箱桁橋で、橋長は67・4m。本年度発注するA2橋台は逆T式でH8・5m、V224立方m、深礎杭基礎。
■河川砂防事業
【河川改修】
笛吹市石和町小石和における渋川の河道拡幅事業は、昨年度で計画区間の整備を完了。河幅が4mから8・6mとなり、流下能力が約7倍となった。
本年度は、笛吹市春日居町鎮目地内の平等川の延長940mにわたる河道拡幅事業が最終年度。神橋上流右岸約200m間において、幅19mの河道を22・6mに拡幅整備することで流下能力を約3倍に向上させる。全体事業費は14億円。
また笛吹市境川町寺尾地内では、境川一般廃棄物処分場建設に伴い、処分場予定地内の一級河川蟹沢川L540mを付け替える必要があるため、森林環境部が県土整備部に河川付け替え工事を委託し、同事務所がこれを実施する。
付け替え事業は12年度より調査を行い、本年度は環境整備事業団の処分場建設工事とともに、河川付け替え工事に着手し、15年度末の完成を目指す。
【天狗沢通常砂防事業(甲州市塩山上小田原)】
土石流危険渓流天狗沢は、甲州市塩山上小田原の渓流であるが、下流には人家や国道・集会場があるため、これらの被災を防止するため砂防事業を行うものである。
事業は12年度より調査を行い、22年度の完成を目指し、本年度は用地取得と工事用道路に着手する予定。
■都市計画事業
【塩の山西広門田線U期(甲州市塩山上於曽ほか)】
延長310mにおいて道路幅員を17mに広げ、歩道を整備し、併せて電線類の地中化を行う。
昨年度まで用地買収を進め、本年度は用地未買収地の解消と道路改良工事を行う予定。総事業費は9億円。
【山梨市駅南線T期(山梨市上神内川ほか)】
都市計画道路山梨市駅南線(県道山梨市停車場線)を延長720m、全幅17mに拡幅する事業で、車両及び歩行者の安全性の向上、交通渋滞の解消、周辺地域の活性化など様々な効果が期待される。
昨年度までに詳細設計を終え、本年度は起業地確保に努める。概算事業費は28億円。