日本工業経済新聞社(群馬)
2014/05/26
【群馬】県桐生土木2014年度事業概要
県桐生土木事務所(若田部純一所長)は、2014年度事業概要を公表した。概算事業費は明らかにされなかったが、ほぼ昨年度並みを確保したもよう。大澤正明知事が唱える7つの交通軸構想の渡良瀬軸を担う、主要地方道桐生伊勢崎線阿左美バイパス2期工区や主要地方道大間々世良田線笠懸薮塚工区で工事着手を迎える。また、桐生市の重要伝統的構造物群保存地区を走る主要地方道桐生田沼線の電線地中化へ向け、詳細設計を委託する。
みどり市笠懸町の阿左美を走る桐生伊勢崎線阿左美バイパスは、1期工区L1000mが暫定供用済み。その先の国道50号から東武桐生線阿左美駅までの2期工区L500mに本年度から着手する。2016年度の完成を目指して用地買収が進行中で、すでに移転し解体を進めている用地もあり、上期末に道路改良工事を発注する。
また、2期工区の国道50号アンダー箇所は、歩道幅員を確保できずに懸案となっていたが、盛り土部をボックスカルバートで抜いて歩道を設置する計画に向けて国土交通省と協議を行っている。さらに、阿左美駅以南の阿左美大原工区L約2000mでも現道拡幅を計画している。
大間々世良田線笠懸薮塚工区は、国道50号から太田市境界までのL2900mで道路改築を実施するもの。本年度は、みどり市笠懸町鹿でJR両毛線をオーバーする跨線橋下部工2基の整備工事を1基ずつに分離し、条件付き一般競争入札で発注する。上部工は橋長32m・幅員16・75mの1スパン単純ポストテンション床版橋、下部工は逆T式橋台2基で、設計はパシフィックコンサルタンツ(東京都多摩市)が作成した。
笠懸薮塚工区は、12年度の大型補正で用地買収が進んだことから、来年度から道路部の工事が大きく進捗する見込み。県太田土木事務所施行分のL460mと合わせ、総事業費には約65億円を見込んでおり、17年度の完成を目指している。
桐生市本町1丁目から2丁目にかけ実施する桐生田沼線での電線地中化は、歩行者の安全性を確保した歩道を設置し、同時に電線を埋設して景観性を向上させる。本年度は、詳細設計を委託する。この地区が文化庁による重要伝統的構造物群保存地区に選定されたため、観光客が安心して歩くことができるよう整備する。
地中化と歩道整備は、有鄰館から桐生天満宮までのL540mが対象。車道は速度制限を設けるとともに幅員を狭め、歩道用地を確保する。歩道予定地に水路の遺構が発見されたことから、電線や管路などは車道下に置く予定。予備設計は12年度にエイト日本技術開発(東京都中野区)が作成。
河川事業をみると、みどり市笠懸町阿左美で進む一級河川石田川調整池整備事業で、C1調整池の工事を開始する。現地では埋蔵文化財調査を実施中で、水路の付け替え工事と掘削工事を発注する。
桐生市川内町5丁目で行われている一級河川山田川の河川改修では、昭和橋上部工工事を近く公告する。形式はL29・5m、W7・7mのPC単純床版橋となる。
このほか、深井戸沢や寺の沢、房川などでの砂防事業、経ヶ峯地区や八幡山地区、祖父ヶ入地区などでの急傾斜地崩壊対策も進める。また、国道122号にある複数のトンネルで照明のLED化を実施する。