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建通新聞社
2014/05/26

【大阪】中之島図書館リニュ 6月に設計委託

重要文化財部分の耐震補強を進めている中之島図書館について、大阪府は本年度、リニューアル工事にも着手する。6月中に基本・実施設計を一括で委託するため、現在、公益財団法人文化財建造物保存技術協会(大阪市淀川区)と随意契約する方向で調整中。9月末までに設計を終え、10月にも工事入札を公告。年内に施工者を決め、遅くても年明けには着工したいとしている。また、現在施工中の耐震補強は、重要文化財部分を12月末までに完了。非重要文化財部分の基本設計を本年度中に作成し、2015年度に実施設計を委託する。
 同図書館は、大阪市北区中之島1ノ2ノ10にある府立図書館。1904年の開館から110年が経過し、全体的に老朽化したことから、耐震補強と併せて、外観、設備、機能を一新し、新しいタイプの図書館としてリニューアルする。
 リニューアルは、中之島図書館環境改善事業に位置付け、2期に分けて実施。正面階段の改修や風除室の整備、外壁洗浄による建物外観の美化、樋・軒回りの改修、トイレ改修などを行う。
 来春には、開かずの扉となっている正面玄関を半世紀ぶりに開放。その後、2期工事を進め、来秋のグランドオープンを目指す。
 施設の耐震化は、重要文化財に指定されている本館、東館、西館の工事を進めており、12月末までに完了する。
 非重要文化財施設の事務棟、電気室、2、3号書庫については、建綜研(大阪市北区)で基本設計を2014年度中に作成し、15年度以降に実施設計、工事を発注する予定だ。
 本館の規模は、石造(れんが)3階建て延べ6897平方b。外観はルネサンス様式、内部はバロック様式。
 リニューアルに当たっては、隣接する中央公会堂との連携事業を検討。所蔵資料の展示やイベントを行い、中之島地区のシンボル施設として大阪の都市魅力の向上を図る。
 リニューアル工事費としては本年度当初予算に1億4000万円を計上したが、担当課では「2期分を含めると、もう少し膨らむ」とみており、2期の工事費は来年度当初予算に盛り込みたい考えだ。