日本工業経済新聞社(群馬)
2014/05/21
【群馬】県中部農業県営事業で大沼用水2期に着手
県中部農業事務所農村整備課は、2014年度の県営事業概要を明らかにした。本年度は寺沢貯水池、赤城大沼用水、大正用水2期などが新規採択となり、測量調査設計などに取りかかる。また、継続事業では鯉沼や十二沼、境小此木地区の区画整理などで工事を進める。本年度の県営事業は、計20地区へ4億8155万2000円を投入する。
本年度の県営事業は計20地区での事業展開を予定。全体予算額は2013年度の補正予算分を除き4億8155万2000円で、13年度の繰越予算分を含めると5億6858万8000円となる。本年度からの新規事業は寺沢貯水池、西田面下沼、十二沼の改修計画のほか、赤城大沼用水2期、大正用水2期、前橋北部地区の水路改修などで、一部の地区での着工を予定している。継続事業では鯉沼の改修、境小此木地区の区画整理、横沢地区や久留馬地区での管路改修などを引き続き促進する。
農災対策農業水利施設整備事業で行う寺沢貯水池は、今後の改修へ向けてボーリングによる土質調査や耐震性の検討調査を実施する。現場は、前橋市滝窪町地内の国道353号線沿いにある、ぐりーんふらわー牧場の向かい。堤体が国道353号沿いにあることや直下流域に住居があるなど、決壊した場合の被害が甚大と想定されるため、早期に耐震化を図る必要性から事業化。
赤城大沼用水2期は、県営水利施設整備事業(基幹水利施設保全型)で採択され、既存の開渠水路区間L1100mをφ600oのヒューム管暗渠水路へと再整備する。本年度は測量調査設計に着手する。現場は前橋市富士見町赤城山地内の主要地方道前橋赤城線沿いで、空石積水路の損壊が目立つ区間を改善する。
大正用水2期は、大正用水1期目の事業期間が終了したため着手するもの。大正用水2期では、水利施設整備事業(基幹水利施設保全型)で行う水路工と農業基盤整備促進事業で行う法面保護工とをそれぞれ別事業で進める。水路工はL1400mの開水路を3面張りのコンクリートブロック積みへと再整備する。また、区間中にある2カ所の水路橋でクラック補修なども予定している。本年度については、実施設計を作成する。一方、法面保護工ではL2600mへのコンクリート吹き付け工や排砂門補修工事などを実施する。本年度は実施設計と一部法面で着工も計画している。
県営特定農業用管水路等特別対策事業で行う前橋北部地区では、本年度から2018年度までの事業期間で、管路工L3200mを更新する。本年度は、実施設計の作成がメーン。前橋北部地区は前橋市市之関町、柏倉町、粕川町室沢地内の受益面積195haを有す農地。既存水路に石綿管が含まれていたり、破損が目立つため更新することとなった。
他方、継続事業は鯉沼本体の改修工事に着手するほか、境小此木地区の区画整理2・4haや排水路工L700m、横沢地区の用水路工L200m、久留馬地区の管路工L300mなどで工事を促進する。なお、坂東大堰地区では本年度工事は予定しておらず、今後改修箇所の実施設計を進める予定だ。