日本工業経済新聞社(群馬)
2014/05/19
【群馬】国交省利根砂防事務所が事業概要を公表
国土交通省利根川水系砂防事務所(神野忠広所長)は、本年度の事業概要を公表した。本年度の事業費は47億3800万円で、前年度から9%増となった。浅間山直轄火山砂防事業だが、群馬県側では片蓋川、長野県側では蛇堀川へそれぞれ新設する砂防堰堤設置に向けた工事用道路を整備する。砂防事業では、草津町内を流れる谷沢川で整備を進めてきた砂防堰堤群の第5砂防堰堤建設工事に着手する。
本年度事業費は浅間山直轄火山砂防事業費13億4600万円(前年度比3%増)、直轄砂防事業費10億59000万円(前年度比3%増)、直轄火山砂防事業費18億200万円(同9%増)、地すべり対策事業費5億3100万円(48%増)をそれぞれ確保した。
浅間山直轄火山砂防事業は2012年度から15年度にかけ、群馬県側へ砂防堰堤13基と導流堤4基、長野県側には砂防堰堤14基をそれぞれ新設するもの。本年度は群馬県側で片蓋川へ、長野県では蛇堀川へそれぞれ設置する堰堤の工事用道路を新設する。工事はいずれも年度末ころの発注を予定している。設計では、長野県を流れる濁川と千ヶ滝西沢、群馬県の赤川でそれぞれ堰堤の新設に先立つ設計作成を進めていく。このほか、昨年度から引き続き両県で設置を進めている、緊急減災用のコンクリートブロックの製作と据え付けを本年度も3500基程度を目安に行う。現在は、昨年度分の製作据え付け工事が行われているため、本年度分の工事は年度末となる見通し。
直轄砂防事業では、草津町の谷沢川で砂防堰堤を1基新設する。谷沢川には全5基の砂防堰堤を設置する計画で、これまでに4基が整備済み。本年度から本体工事に着手する第5砂防堰堤が最後となり、本年度から3カ年で工事を進める。工事は6〜7月に公告する。
この堰堤は本堰堤が堤高14・5m、堤長90m、コンクリート打設量7198立方m。副堰堤が堤高5・5m、堤長67m、コンクリート打設量1454立方mのそれぞれ重力式。堰堤以外にも水叩きがコンクリート打設量832立方m、側壁が打設量1095立方mをそれぞれ見込んでいる。地盤が不安定で一部置き換えを行う部分への打設工415立方mも予定しており、計1万994立方mの打設量を計画している。
このほかの直轄砂防事業では、片品村越本地区を流れる片品川で床固工と護岸工L310mを計画。
2工事を一括して6〜7月の公告を予定しており、本年度の工事で床固工のみが終了となる。地すべり対策事業では、藤岡市譲原地区で集水井工2件、アンカー工1件の計3件を計画しており、いずれも6〜7月に公告する。
集水井工は下久保地区で計2基、アンカー工は栢ヶ舞地区でアンカー60本を新設する。