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建通新聞社(神奈川)
2014/05/13

【神奈川】神奈川県東海道新幹線新駅設置促進期成同盟会総会 黒岩知事「本気度が足りない」と地元に苦言

  神奈川県東海道新幹線新駅設置促進期成同盟会は、12日に横浜市内で2014年度総会を開いた。会長を務める黒岩祐治神奈川県知事は、「本気度が十分でないと感じる。この問題をいつまでも引きずるつもりはない」と、ツインシティの取り組みに関して、地元に苦言を呈した。一方で、地元・周辺市からは、「JR東海が新幹線新駅を検討するのがリニア中央新幹線開通後だとすると時期が先過ぎる。あらためて需要見込みなどを調査すべきではないか」との声が出た。県と関係市町が必ずしも一枚岩ではない状況が露呈し、今後の進展に不安を抱かせた。
 期成同盟会は、東海道新幹線新駅を寒川町倉見地区に誘致するとともに、同地区周辺と相模川対岸の平塚側地区を一体化。環境共生都市「ツインシティ」の整備を促進するために県と地元市町・周辺市が組織する。
 平塚市大神地区で区画整理事業の都市計画決定手続きや企業誘致が進んでいるのに対して、新幹線新駅の誘致場所となる寒川町倉見地区ではまちづくりの合意形成が遅れている状況。
 総会で黒岩知事は、「一番重要なのは本気度=B正直本気度が足りない。このままでは大きな課題をクリアできない。いつまでもこの問題を引きずるつもりはない。この会を本気で取り組む場としたい」と、いら立ちを含んであいさつした。
 地元・周辺市町の意見交換では、落合克宏平塚市長が、「ツインシティ担当課を置いた。環境と共生する魅力ある都市づくりを進めたい」と積極的。木村俊雄寒川町長は、「黒岩知事が本気度≠言われた。倉見地区では地権者への働き掛けは進めており、一日も早い具体化をと考えている」とまどいを見せながらも早期実現の姿勢を見せた。
 内野優海老名市長は、「黒岩知事の本気度≠ヘ寒川町を指すのだろう。しかし、JR東海が新幹線新駅を検討するのがリニア中央新幹線開通後だとすると、このまま要請し続けて良いのかという思いもある。リニアがはっきりした今、あらためて需要などを調査すべきではないか」と従来通り進め方に疑問を示した。服部信明茅ケ崎市長は、「優先度をどう付けるか。他の同盟会と一緒に協議する場が必要」と提案した。
 東海道新駅については、国土交通省の交通政策審議会中央新幹線小委員会が、11年5月に「東海道新幹線の『のぞみ』型が担っている輸送ニーズの多くがリニアに移ることで、東海道新幹線の運行ダイヤに余裕が生まれ、輸送形態が『ひかり』『こだま』型重視に移行。新駅設置の可能性も生じる」とする内容を答申に盛り込んだ。
 総会では、「県土全体の活性化につなげるよう、新駅誘致活動を一層強力に展開する」という総会決議を行った。総会決議を受け、5月31日に同盟会役員と地元市町の会員がJR東海などに対して新駅設置促進の要望活動を行う。