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日本工業経済新聞社(群馬)
2014/05/08

【群馬】石原みどり市長就任インタビュー

 先月の任期満了に伴って行われたみどり市長選挙において、無投票で3期目の当選を果たした石原条市長は、幣紙・群馬建設新聞の単独インタビューに応じた。石原市長は公共工事の指名競争入札について、現在の1000万円未満を対象とする金額設定を来年度から拡大させる方向で制度の見直しを進めていることを明かした。市長として今任期を最後と考えており、懸案である笠懸小学校の分離開校も近く結論を出す方向だ。

 ―現在の心境と3期目への抱負は
 石原 3期目ということもあり、気張ったところもなく淡々としている。3期12年で終わりという考えは、8年前に初当選した時から変わらない。これを絶対に守り、みどり市民が「このまちに住んで良かった」と思えるように、これからの4年間に自分の知恵や力をすべて注ぎたい。

 ―現在、みどり市が抱える課題は
 石原 まずは地域間格差。本市は南北に長く、人口分布も極端。学校を例に挙げれば、笠懸小学校は県内でも有数の児童数で、分離開校も視野に入れている一方、北の地域では児童数の減少により、市長就任以降すでに2校が統廃合し、3校目が検討規模となった。過密地域と過疎地域の両方を抱え、文化や伝統も異なることから、政策的には地域ごとにオーダーメードで対応していかなければならない。

 ―入札契約制度の改正を考えていると聞いたが
 石原 工事案件の入札では現在、1000万円未満を指名競争、1000万円以上を条件付き一般競争と分けている。この境界の金額を上げて、指名競争入札を増やしたい。昨年の台風や大雨、あるいはことし2月の大雪では、本市も被害を受けた。特に大雪では、地元の建設業者がまさにボランティア的な姿勢で一生懸命に除雪にあたったことを市民も評価している。あらためて、災害時に頼りになるのは地元の建設業という認識は強くなった。こういった社会貢献を行っている業者とそれ以外を一緒に競争させることは、逆に不公平。優遇まではできないが、仕事を取る機会は増加しても良いのではないか。(入札に関する委員会の委員長である)副市長には、来年度からの制度の見直しに向けた研究を指示している。

 ―3期目に力を入れたい事業は
 石原 公約に掲げた全小中学校へのエアコン設置は、校舎屋上への太陽光発電設備の設置と同時に進めているところ。また、笠懸小学校の分離についてもそろそろ結論を出す。新学校建設は大きな事業になる。橋梁の長寿命化にも大間々町の新栄橋から着手した。このほか、阿左美駅や岩宿駅の周辺整備(駅前広場)も進めたい。

 ―太田市、館林市、邑楽郡5町と進める水道事業の広域化について
 石原 2016年度の事業団設立を目指して、粛々と進めている。本市は水源地の責任を持ち、ほかの市や町へ安全な水道水を安定的に供給していく考え。水道事業を市内で完結することもできるが、みどり市だけ良ければいいとは考えていない。併せて、老朽化した浄水施設の更新にも取り組んでいく。

 ―道路整備についての考えは
 石原 大澤知事が進める『7つの交通軸構想』では、主要地方道大間々世良田線藪塚笠懸工区のバイパス整備が国道50号までと決まっているが、問題は50号より北への延伸。渡良瀬軸の中心として、4年間のうちに事業推進を積極的に働きかけていきたい。市道関係では、笠懸地区をみると、分譲地での人口増加に道路整備が追いついていない。未舗装道路や雨水排水面の整備を急ぐ必要を感じており、改良を進めていきたい。

 ―最後に建設業界へメッセージを
 石原 子どもたちが目指すような、魅力のある業界になってほしい。地域の子どもたちが「将来は建設業に就きたい」と思えるように、わかりやすいアプローチを期待している。経営者の方々がそう考えて地域で活動すれば、必ず人気は上がってくる。