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建通新聞社四国
2014/05/02

【香川】「四国新幹線」実現目指す

 四国4県と四国地方整備局、四国運輸局など国の関係機関、四国経済連合会で組織する「四国の鉄道高速化検討準備会」(事務局・四国経済連合会)は、四国の新幹線の整備計画格上げに向け国へ働き掛けなどを行う後継組織の「四国の鉄道高速化連絡会(仮称)」を5月中にも設置する。「四国における鉄道の抜本的高速化に関する基礎調査」で四国にフル規格新幹線整備の妥当性が確認できたため、実現に向けた課題について検討する。
 四国が自立的・持続的に発展していくためには四国における高速鉄道の整備が必須条件とされ、「四国の鉄道高速化検討準備会」では基本計画にとどまる四国の新幹線の整備計画への格上げを目指し、13年6月から基礎調査を一般社団法人運輸政策研究機構に委託し実施してきた。
 4月末までにまとめた調査結果によると、▽ケース1―四国新幹線全線(大阪〜徳島〜高松〜松山〜大分)▽ケース2―四国横断新幹線(岡山〜高知)▽ケース3―四国新幹線一部区間と四国横断新幹線(徳島〜高松〜松山、岡山〜高知)の三つのケースに分けて分析。ケース1は建設延長477`、概算事業費は既設新幹線の実績を基に(基本単価:1`50億円に整備延長`を乗じて算出)、海峡部は青函トンネルの実績から1`当たり170億円、大阪市内などの大深度地下利用区間は1`当たり210億円として建設費3兆9900億円、車両費(6両編成)は330億円。
 ケース2は建設延長143`、建設費7100億円、車両費160億円、ケース3は建設延長302`、建設費1兆5300億円、車両費410億円と試算。
 費用便益比(B/C)はケース1で0・31、ケース2で0・59、ケース3で1・03と、四国新幹線の一部区間と四国横断新幹線を結んだケース3の路線案で費用便益比が1を超え、四国4県の県庁所在地が新幹線で結節し開業による四国4県沿線の経済波及効果は観光やビジネスなど旅客数増加により最大で1年当たり169億円と試算。将来的には海峡部分も整備しリダンダンシー(山陽新幹線の代替機能)を確保できる、などとした。