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建通新聞社(静岡)
2014/04/30

【静岡】静岡市 「アセットマネジメント基本方針」策定 総資産量適正化や長寿命化推進

 静岡市は、計画的かつ効率的な公共施設の整備・維持管理と、施設の利活用促進や統廃合を進め将来負担の軽減を図るため「静岡市アセットマネジメント基本方針」を策定した。公共施設の@総資産量の適正化A長寿命化の推進B民間活力の導入―を基本方針とし、健全で持続可能な都市経営の実現を目指す。
 方針期間は、高度経済成長期に続く10年の期間とバブル期に整備された公共建築物の建て替え更新時期や、インフラ資産の補修期間が今後30年に集中することから、2014〜43年度までの30年間。対象範囲は市が所有する全ての公共施設と施設が立地する土地。
 14年度は当初予算に事業費約2500万円を計上し、施設情報の「見える化」と施設評価に取り組む。個別施設の利用状況や維持管理にかかるコスト状況、建物劣化状況などを記載したカルテを作成し、カルテと市民意見などを基に各施設の評価を行う。このほか、市民意識の醸成・施設評価のための市民意見を集約するため、市民アンケートや冊子の作成、シンポジウムを開催する。今後、方針に基づき15年度からスタートする次期総合計画に必要な事業を盛り込むなどしてアセットマネジメントを実施していく。
 公共建築物については、現有施設を保有し続け、建て替え更新周期40年、大規模修繕15年とした場合、今後30年間に要する維持更新費は総額約9260億円、年平均約309億円と試算。09年度から12年度の実績から確保可能な維持更新費を年平均約117億円と仮定すると大幅に不足することが考えられる。
 このため、総資産量の適正化で、建築物の廃止や複合化、集約化などにより保有総量の縮減を図る。施設の新設は、中長期的な総量規制の範囲内で費用対効果を考慮して行う。また、施設廃止に伴い生じる跡地は原則売却していく。総延べ床面積を30年間で12年度末比20%縮減を目標としている。市は将来維持更新費について、長寿命化を推進し建て替え周期を60年、大規模修繕を30年にした場合でも、今後30年間の総額は6250億円、年平均217億円と試算する。
 公共建築物は作成したカルテに基づき評価し、「継続」「改善」「用途廃止」「施設廃止」に区分して取り組みの方向性を検討していく。
 一方、インフラ資産については、複合化・集約化、廃止が適さないことから建築物とは異なる観点・方法により評価・実行していく。
 道路、河川、上下水道、公園といった施設種別ごとに整備状況や老朽化の度合いから方向性を検討。その結果から施設の重要度に応じた個別の維持管理計画を策定し、施設の特性に合った管理水準を設定する。定期点検により状態を把握し、点検に基づいた短中期の更新・補修計画を策定し実施していく。
(2014/4/30)

建通新聞社 静岡支社