建通新聞社四国
2014/04/25
【香川】4000棟超の県有建物の長寿命化に着手
香川県は2014年度から新規に約4000棟をある県有建物長寿命化推進事業に取り組む。「香川県県有建物長寿命化指針」に基づき各施設管理者が県有建物の劣化度等を調査し一般財団法人建築保全センターの保全情報システムに登録。県有建物のうち計画的な修繕・更新計画に取り組む建物の選定基準づくりを進め、選定施設の長期保全計画書を作成する。一部選定基準などのマニュアルづくりを外部委託する。
約4000棟を超える県有建物の長寿命化指針によると、計画的な予防保全を実施することで建物を長寿命化し、改修・修繕費用の総額抑制と大規模改修や建て替え時期を分散することにより財政負担の平準化、建築廃材の排出抑制を図る。対象は鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄骨造の延べ床面積200平方b以上の県有建物。目標耐用年数は65年または防災拠点施設などの主要新築施設や構造躯体が使用可能な施設は100年目標とした。
同指針には長寿命化設計基準による取り組みのほか、30年間の保全計画と維持管理業務に係る技術的な事項を定めた長期保全計画書を施設管理者が順次作成することなどが盛られた。県は13年度に本庁舎本館と警察本部庁舎をモデルに同計画書を作成し設備の耐用年数のピークや他の施設に応用する場合の検討材料として検証した。
県有建物の計画的な予防保全を通じた長寿命化を図るために、14年度は本庁各部署、土木事務所などの各施設管理者がそれぞれの施設の劣化度調査や外壁等危険度調査を実施する一方、これら建物調査結果や工事履歴、建築・設備の詳細な機器、部材データなどを建築保全センターの保全情報システム(BIMMS)に登録。
併せて保全計画書を策定する対象施設の用途や行政需要の動向と規模、構造などに基づく選定基準づくりに取り組む。
保全情報システムの保全計画作成支援機能を活用すれば、修繕・更新周期や工事単価から今後30年間の修繕・更新工事年度と概算経費がシミュレーションできるため、選定施設でこのシステムを活用し長期保全計画書を作成。以後順次同計画書を作成しつつ、施設管理者が施工範囲や優先度を考慮して改修・修繕に取り組む考えだ。