建通新聞社
2014/04/24
【大阪】IR候補地夢洲明記/鉄道網3案検討へ
今国会でのIR(統合型リゾート)推進法案の成立をにらみ、大阪府と大阪市は、IR立地に向けた基本コンセプト案をまとめた。候補地に、夢洲を軸とした大阪市内のベイエリアを明記。松井一郎知事は、「全体で150f近い土地をまとまって確保できるのは国内でここぐらいだ」とし、夢洲が最適地と強調。また、橋下徹大阪市長は、立地へは鉄道網整備が不可欠との認識を示した上で、担当局に対して、夢洲への鉄道アクセス案を3案程度まとめるように指示したことを明らかにした。
2014年度については、大阪市で鉄道網の計画案を検討するほか、候補地の検討調査を行う。大阪府では、推進法の成立を待って、事業者の公募方法などを検討する調査費を府議会に諮り、事業推進の可否を判断。
基本コンセプト案は、4月22日の大阪府市IR立地準備会議の第2回会合で示されたもので、次回会合で鉄道網の検討案が示される。
14年度中に推進法が成立した場合、15年度に実施法が提出され、以降、区域指定、地方公共団体による立地に向けた事業者公募などが行われる。
IRは、カジノを中心に、劇場やアリーナ、国際会議場、美術館、博物館などからなるリゾート施設。カジノの収益性の良さから投資を呼び込みやすく、1990年代以降、世界各国で立地や検討が相次いでいる。シンガポールのマリーナ・ベイとセントーサ島では、それぞれの投資額が約5000億円、開発面積20万〜50万平方bに及び、準備会議特別顧問の溝畑宏氏は、「大阪で立地となれば投資額は1兆円を超える」との考えを示した。
松井知事は、「事業者はコンペティションで選定し、東京五輪開催の2020年までの開業を目指す」と述べた。