北海道建設新聞社
2014/04/15
【北海道】大樹に国内初のスペースポートを−官民連携の活動組織発足へ
大樹町内に国内初となるスペースポート(航空宇宙多目的飛行試験施設)の建設を目指し、オール北海道で活動を展開する組織が5月14日に設立する。2022年度までに最大で事業費126億円を投じて、滑走路や垂直打ち上げ場を整備し、次世代型航空宇宙機の開発拠点とする構想。国による整備を目指し、16年度の調査着手を要望する。
組織名称は北海道スペースポート研究会。高橋はるみ知事や丹保憲仁北海道総合研究機構理事長、近藤龍夫北海道経済連合会長、伏見悦夫大樹町長ら行政、経済団体の代表が研究会設立の発起人を務める。
研究会の設立準備事務局を担うNPO法人北海道宇宙科学技術創成センターによると、大樹町美成の多目的航空公園にある延長1000m(幅30m)の滑走路を4000m(幅60―100m)に拡張するとともに、中型までのロケットを打ち上げ可能な垂直打ち上げ射場を整備する北海道スペースポート計画を構想。国が16―17年度に調査を進め、17年度に着工するスケジュールを描いている。22年度までの事業費に99億―126億円を見込む。
研究会の主な活動内容は、マスタープランの作成やスペースポートに関する国内外の調査研究、必要な国内法の整備促進、関係省庁や国会議員らへの要請。
国内の研究開発拠点としてだけでなく、ロケットの射場を持たない東南アジア各国による小型人工衛星の打ち上げを可能とすることで、将来的にアジアでの宇宙開発研究や宇宙観光産業の玄関口としたい考え。宇宙観光のハブ港として、世界各国からの観光客を誘致することも目指す。
発起人の一人である伏見町長は「宇宙産業観光の実現に向けて大きな弾みとなる。大樹町だけでなく、十勝、北海道の経済振興につながるものと期待している」と話している。