日本工業経済新聞社(群馬)
2014/04/04
【群馬】中之条町が小水力発電所の建設に着手
中之条町は本年度、花の駅美野原内を流れる美野原用水へ小水力発電所を建設する。現在、設置する発電機と水車の詳細な形式を選定している段階で、早期の形式決定と工事発注を目指す。当初予算には、工事費2億5318万5000円を計上している。設置する発電所は最大出力約140kW、最大使用水量毎秒0・3立方mを予定しており、本年度から2カ年で工事を進めて2015年度中の稼働を目指す。
建設する発電所は四万川を源流とする美野原用水から水を引き込み、地中に埋設する管から水車や発電機などを設置するS造の発電所へと通し、同用水に戻す。
取水口から発電所までの有効落差は64・5mで、L361・5m区間でφ500oのPRPM管を敷設する。取水口には自動除塵機と一定の水圧を確保するため、コンクリート製の水槽を、発電所にはクロスフロー式の水車と発電機、制御設備などを整備する。発電所の設置にあたっては2012年度に可能性調査と基本設計を、13年度に詳細設計をそれぞれNPO法人環境技術研究所(高崎市)に随意契約で委託した。美野原用水が流れる花の駅美野原は、JAあがつまが所有していた薬王園を町に譲渡した施設で、園内には薬草加工工場などがある。
町では災害時にも安定的な電力供給ができる体制の確立を目的に、再生可能エネルギーの積極的な利活用を進めており、同施設の設置もその一環として計画。
13年度には町が中心となって一般財団法人中之条電力を設立しており、バイテック中之条太陽光発電所からの電力を公共施設などに利用している。
今後は小水力発電所で計300kW、木質バイオマス発電施設で計2000kWの発電を計画している。本年度は当初予算に小水力発電実行可能性調査等業務委託料324万円を計上し、六合地区を対象として調査を進めていく。
一方、木質バイオマス発電施設では設置場所や想定する発電所の熱量などを検討する。