北海道建設新聞社
2014/04/02
【北海道】建設資材に値上げの春−円安や電気料金高が直撃
4月に入り、生コンや断熱材など建設資材の値上げが相次ぐ。対ドル為替相場の円安に加え、電気料金の値上げで工場の生産コストが増大しているため。将来を見据えた人材確保や設備投資への蓄えとして、業界環境を是正したいという側面もある。調達するゼネコン側にとっては工事費増加を招く厳しい事態。適正利益の確保にはコスト転嫁が不可避で、施主や発注機関への理解が生命線となりそうだ。
道路舗装やコンクリートに使われる骨材は昨年以降、全道各地でコスト転嫁が広がっている。生コン需要が最大の札幌では、生産会社7社で組織する札幌砕石共販協同組合が1日から、生コン用に代表されるサイズ物で1m³当たり500円、路盤材などに使う切り込み類を300円改定した。
生コンも価格改定の動きが目立っている。上川北部生コン協同組合は音威子府や朱鞠内など4地区で1m³当たり400―1000円引き上げた。広尾や幕別をカバーする南十勝生コン協同組合は1日以降の契約価格を見直し、建築標準物で1万7950円に改定する。
北海道コンクリート圧送協同組合(北圧協)は4月から、これまでのm³ごとの標準価格制度を改め、安全管理費と法定福利費を明示した基本料金制を導入する。会員各社の社会保険加入を促すのが狙いだ。
ストレートアスファルト販売業者は、10―3月期分で打ち出した1d当たり5000円の値上げを目指している。原油価格の高止まりを受け、ローリー会社からの運賃引き上げ要請が強まっていることなどが要因だ。
原料価格の上昇を受け、アスファルト合材も平均で1d当たり1000円の値上げが進められている。プラントで加熱時に使う電気料金や材料の骨材が値上がりしたことも背景となっている。
円安を理由に化成品も値上がり傾向にある。さらに配管類に使う樹脂加工品や、建築用の鋼板も上昇傾向にある。
ダウ化工(本社・東京)は21日から、押出発泡ポリスチレン断熱材「スタイロフォーム」などを15%引き上げる。カネカも5月1日から、シーリング材などの主成分に使われる変性シリコーンポリマーを1`当たり30円以上値上げする。
番外編では高速道路の料金体系も消費税増税分の転嫁が進み、これまでの50円単位から10円単位に変更となる。平日朝夕の通勤割引は事前登録したドライバーに限定され、利用度合いによって割引率が変わる。